2Reviews各論



  • 1. Pushing ...
    • Scanning mechanismとそれからの逸脱
      • First-AUGルール(大原則)
      • 逸脱理由
      • Inhibition by upstream AUG codons
      • -ORFが閉じてしまう上流AUGの下流にあるORF(+)のAUGは利用される
      • -ただし、効率の低下はある
    • -Inhibition by secondary structure(GC-rich配列による2次構造形成)
    • -Non-AUG start codons (ACG or CUG)
    • Scanning mechanismに合致しない場合の生物学的意味
      • 実在遺伝子には、Scanning mechanismが最適条件では機能していないことが明らかな例が多く認められる。
        • 例:強力な生理活性を有する分子(サイトカイン、growth factors、キナーゼ、転写因子など)は5'側にGC-richな配列を有し、scanning効率が低い
        • その生物学的意義としては、『非効率』な翻訳効率を有することによって、『生理的翻訳効率』を達成している
    • Leaky scanning
      • Context-dependent leaky scanning
        • AUG配列の周辺塩基配列のパターンにより、翻訳開始AUGとしての適切度が変わる
        • 複数のAUGが用いられて、異なるフレームのペプチドが1mRNAから翻訳される場合も
    • Reinitiation
      • 上流の短ORFに引き続いて、AUGが用いられること
      • 上流ORFの長さの影響を受ける
      • cDNA解析による上流の短ORF-AUGとそれに引き続くreinitiationの同定は、cDNA配列データの信憑性の問題があるために、容易ではない
      • 脊椎動物の5'UTRはGC-richであるが、targeted mutagenesis解析では、下流のAUGの利用を制限している場合が多いというデータもある。
      • RNAの転写開始点はまちまちであり、また、mRNAが必ずしも翻訳されるとは限らず、さまざまな転写開始点を持つmRNAとそれが翻訳されるかどうか、また、翻訳されないmRNAが翻訳されるmRNAの翻訳にどのような影響を与えるか
    • mRNAの翻訳調節に影響を与える変異とそれによるヒト疾患
      • AUG start codonとそのcontext配列に起きた変異
        • 翻訳への影響ではなく転写物の安定性に影響する場合もある
      • 上流AUGの破壊・新生を引き起こす変異
    • 翻訳開始点調節に関する解析上の課題
      • cDNAサーベイの不備
        • 公共データベースに登録されたcDNA/mRNA配列とその翻訳開始AUGのannotationは不完全であり、翻訳開始点規則を適用してannotationし直す方がより正確な場合もあるくらいである
      • 実験由来データの質
        • cDNAサーベイより良質である
        • いくつかの問題点
          • Polysome由来のmRNAも翻訳されているとは限らない
          • In vitro translation assayでは、翻訳開始AUGの選択機序が非生理的である
          • In vitro処理により発生する人工的mRNAの問題
  • 2. How strong ...
    • Closed-loop model
      • CapにeIJ4F
      • TailにPABP(PolyA-Binding Protein)
      • eIF4GとPABPの会合->mRNAの環状化
    • UTR-binding proteinsによるmRNA翻訳調節