第9章 代数系、形式言語 駆け足で読む『離散数学〜コンピュータサイエンスの基礎数学』
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- 代数・演算については、第4章 ベクトルと行列の項で関連事項としてテンソルに触れたときにも述べたが、『演算規則について一貫性のあるもの』が代数系である。『演算』とは、引数をとって返り値を戻す作業。
- n-項演算 n-ary operationはからへの関数。以下、2項演算について記す。
- *について閉じている closed under * 。Aの要素a,bについて、a*bがAの要素であるとき、Aは*について閉じている、という
- 結合的 associative、結合法則を満たす associative law。
- 簡約法則 cancellation law。ならばのとき左簡約法則を満たす、と言い、ならばのとき右簡約法則を満たす、と言う
- 可換的 commutative、交換法則を満たす commutative law。を満たすとき
- 逆元 inverse。のとき、をaの逆元と言う。
- 半群 semigroup。結合的な演算*を持つ集合Sを半群と呼ぶ。(S,*)で表す。
- 自由半群、言語
- 文字列のようなものを考える。基本構成要素の集合を字母系 S alpahabet、その要素を文字 letter と呼ぶ。Sの要素によって作られるもj列の集合をと書く。
- 文字列結合演算は列積 concatenationと呼ぶ
- 文法
- 文法の構成要素
- 変数 variableまたは非終端記号 nonterminalsと呼ばれる要素からなる有限集合V
- 終端記号 terminals と呼ばれる要素からなる有限集合T
- 初期記号 start symbol と呼ばれる要素からなるVの要素 S
- 生成規則 production の有限集合P。生成規則Pは、VもしくはTの要素の集まりで、1つの要素から別のへの変換規則(要素のペアで表される)の集合になっている。なお、少なくとも1つのVの要素(変数)が規則の要素ペアの第1要素になっている必要がある。
- 文法の種類
- 文法の構成要素
- 群 group
- 2項演算を持つ空でない集合において、次が成り立つとき、群という
- アーベル群
- 群であり、可換 commutative なときアーベル群 abelian という
- 置換 permutation
- 部分群 subgroup
- 群の部分集合が、自身で群の性質を持つとき、部分群という
- 部分群に対して、元の群の要素を右作用・左作用して得られる要素をそれぞれ右剰余類 right coset、左剰余類 left coretと呼ぶ。右剰余類の数と左剰余類の数は等しい。この数を部分群の群における指数 index という。また、右剰余類と左剰余類が等しいとき、その部分群は正規 normal であるという。
- 群における写像
- 準同形 homomorphism
- 同形 isomorphic
- 核 kernel
- 2項演算を持つ空でない集合において、次が成り立つとき、群という
- 環
- プログラミング問題
- 単位元の確認->IdentityList
- 可換確認->CommutativeCheck
- 結合性確認->AssociativeCheck