知るために、過ぎたるは及ばざるがごとし、お釈迦様のてのひら、恒常性用統計量



  • ユークリッド2次元空間(平面)の座標を、原点と2つの直行ベクトルを定め、その2ベクトル成分に分けて¥bf{x} = (x_1,x_2);x_i ¥in ¥bf{R}と表したり、原点を定め、そこからの距離と1軸を定め、¥bf{x} = (r,¥theta);r,¥theta ¥in ¥bf{R}と表したりできる。
  • (x_1,x_2)の場合には、2変数は、-¥infty - ¥inftyを取る
  • (r,¥theta)の場合には、変数r-¥infty - ¥inftyを取るのに対し、¥theta¥theta = ¥theta_0 + 2n¥pi;n¥in ¥bf{N}のように、増やしても減らしても、ある範囲から抜け出せない。
  • さらに、少し見方を変えて、非ユークリッド空間で考える。簡単のために1次元空間を考え、その空間は、長さX_1の輪になっているものとする。このとき、この空間上の点の座標は、¥bf{x}=(x_1);x_1¥in Rであるが、x_1=x_1_0 + 2nX_1と表せて、ある範囲から抜け出せない。
  • 生物の恒常性維持というのは、ある一定範囲にとどめるための諸機構のなせるわざであり、ある意味では、この「ある範囲から抜け出せない」状態そのものであるともいえる。
  • また、生物の特徴的な形質というのは、この「抜け出せない範囲」として許された状態空間上での『些細な』違いに着目していることとも言える(それに価値がないわけではない)。「抜け出したとき」は「生物が死んだ」ときである。
  • このように考えたとき、この「抜け出せないぐるぐる状態」への遺伝因子の寄与を捕らえるには、-¥infty - ¥inftyを想定した統計量は修正を要するのではないだろうか?