n次元球の立体角〜確率密度



多変量が作る多次元空間において確率密度を考えるとき、データは多変量の非直交基底によって位置づけられる。多次元球の点の広がりは、球の立体角で捉えることが可能で、立体角は多次元空間中のベクトルの内積外積(等)によって算出される。また、立体角は対応する多次元錘の底面(多次元球の表面の一部)に対応し、底面の面積と立体角の大きさとの関係が存在する。そういう意味で、n次元球の体積と表面積について、覚書。

円は2次元球。その面積(体積)はV(2)=¥pi r^2、円周(表面積)はS(2)=2¥pi r

球は3次元球。その体積はV(3)=¥frac{4}{3}¥pi r^3、表面積はS(3)=4¥pi r^2

¥Gamma(q+1)=q¥Gamma(q)であることに注意すれば、

n次元球の体積はV(n)=¥frac{¥pi^{¥frac{n}{2}}}{¥Gamma(¥frac{n}{2}+1)}r^n=¥frac{¥pi^{¥frac{n}{2}}}{¥frac{n}{2}¥Gamma(¥frac{n}{2})}r^n=2¥frac{1}{n}¥frac{¥pi^{¥frac{n}{2}}}{¥Gamma(¥frac{n}{2})}r^n、表面積はS(n)=2¥frac{¥pi^{¥frac{n}{2}}}{¥Gamma(¥frac{n}{2})}r^{n-1}

体積と表面積の関係はV(n)=¥frac{r}{n}S(n)

また、¥Gamma(¥frac{1}{2})=¥sqrt{¥pi}¥Gamma(1)=1であることから、

nが奇数のときn=2m+1と表して、¥Gamma(¥frac{n}{2})=¥Gamma(m+¥frac{1}{2})=¥sqrt{¥pi}¥prod_{k=1}^{m}(¥frac{2k-1}{2})

nが偶数のときn=2mと表して、¥Gamma(¥frac{n}{2})=¥Gamma(m)=¥prod_{k=2}^{m}(k-1)

掲載図は単位半径のn次元球の体積と表面積の図。体積は、次元7で最大に、表面積は次元5で最大になることがわかる。掲載図の原図はこちら。掲載図作成のエクセルファイルはこちら

ガンマ関数階乗についてはWikiを参照。

n¥Gamma(¥frac{n}{2})V(n)S(n)
1¥sqrt{¥pi}2r2
21¥pi r^22¥pi r
3¥frac{1}{2}¥sqrt{¥pi}¥frac{2^2}{1 ¥times 3}¥pi r^34¥pi r^2
41¥frac{1}{2}¥pi^2 r^42¥pi^2 r^3
5¥frac{1}{2}¥frac{3}{2}¥sqrt{¥pi}¥frac{2^3}{1¥times 3 ¥times 5}¥pi^2 r^5¥frac{2^3}{1 ¥times 3}¥pi^2 r^4
62¥times 1¥frac{1}{6}¥pi^3 r^6¥pi^3 r^5