Hardy-Weinberg平衡検定での足きりの不適切性をトレンドテストの精度とともに検討した論文



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この論文が比較しているのは、多数のSNPのジェノタイプ観測によるケース・コントロール独立性検定をアレル本数比較について、帰無仮説の棄却確率に比較して、妥当かどうかで比較している。

(1)2x2表カイ自乗検定をする場合¥chi^2_P

(2)HWE検定を行い、そこで足きりした後の2x2表カイ自乗検定をする場合(2 stage-design) ¥chi^2_{2S}

(3)Cochran-Armitage trend testによる統計量 ¥chi^2_{A}

(4)Coochran-Armitage統計量と相関のよいWald統計量からのP値

(1)は(3)に比べ、与えるP値と実際のαエラーとのずれが大きく、与えられたP値を真のそれとみなしにくいのに対し、(3)のそれは、かなりP値が真の棄却確率に近いことをしめいしている。また、HWE検定による足きりはそれを改善しない。

本論文では、もう一点扱っている。

ジェノタイピングのタイピングエラーを2種類想定する。ひとつは、アレル単位でコールを違える場合。もうひとつは、ジェノタイプをホモ⇔ヘテロで違える場合。

どちらのたがえ方も、HWEからの逸脱がタイピングエラーから出ないか、出るにしても、サンプリングバイアスによるHWEからのずれに比較して小さいだろうことを示している。

この解析結果は、多数のSNP検定においてHWEテストによる足きりの不要性を上述の棄却確率の適切性の議論をサポートする。

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