必ずつながる

  • こちらで扱っている遺伝的浮動はアレルの伝達関係に関して、その本数・比率に着目したものですが、アレルの伝達関係を経時的グラフにすると、コアレセントと呼ばれる方法で扱うことができます。アンセストラル・リコンビネーション・グラフとか(こちら)
  • 分水界というものがある
  • こちらでも紹介した本の第6章で分水界のことを扱っている

  • そこでは、空から降った雨は地表に落ちて、地面上を流れ、低きに流れて、大陸の辺縁(そこは海に接する)にそそぐものとしている。盆地の場合は、あふれ出る点から川となって流れ出ていくものとしている
  • これは、大陸の辺縁をいくつかに分割し、その弧を列挙した上で、そのする、弧を「底辺」とした形(形とは連続した領域であって、少なくとも線で(たいていは面で)によって、分割するという作業になる
  • 地表面を流れることが「自然」で、そこから逸脱させる人工物としてトンネルが、同書には挙げられていた
  • しかしながら、実際の雨水は、表面を流れるものと、地面にしみこむものとがある
  • 地面にしみこんだ雨水はたいていは、水を通さない粘土層上に「降って」そこにある地下の川となって、最終的に地下の海にそそぐ
  • 鍾乳洞なんかを用いた、殺人事件トリックなんかも、まあ、こんな話と関係するわけですが(八つ墓村も鍾乳洞で有名な岡山県の洞窟を舞台にしたお話ですが)

八つ墓村 (角川文庫)

八つ墓村 (角川文庫)

  • 地下の海はなんらかの形で地上の海(陸と海抜0メートルで接し、「空」とも接する水の塊)とつながるだろう
  • こう考えて、水の動きを考えると、空というのは、「極力」浸透性の高い部分で、陸というのは、浸透性がかなり強い部分である。また、「海」は「ある標高」として定められた、「ゴール」である
  • したがって、本当は、3次元空間があって、そこから、海抜0メートルの面に向かう水の旅がある
  • 海抜0メートル面を適当に区分けして、そこを底面とする「形」によって、海抜「正」の空間を分ける、というのが、分水界を決める作業になる
  • さて、これを「遺伝学・遺伝統計学のメモ」に書いたのは、染色体上のアレルの伝搬が、伝達関係グラフを、Identity by descent(IBD)が定める「連続領域」での塗り分けという作業であるから