駆け足で読む『確率論と私』

確率論と私

確率論と私

  • I 忘れられない言葉
    • 忘れられない言葉
      • 「哲学とは宇宙の原理、原則を研究する学問なり」
    • 数学の研究を始めた頃
      • 確率変数の定義(コルモゴロフ)
      • 確率過程の登場(レヴィ)
      • 「自分の問題」「自分の体系」
    • 直観と論理のバランス
      • そのバランスが崩れて、冗長な、自己満足のための講義になる
  • II 数学の二つの柱
    • 科学と数学
    • 数学の二つの柱
      • 「洋算は論証によって研究を進める」
      • 「洋算はあらゆる学問の基礎である」〜本多利明
          • 技術的な基礎という意味ではなく、「思想であり哲学として」の基礎
    • かわった学生
      • 途中で書きなおす板書
        • 思考の過程が見える講義
      • ノートを取らない学生
        • 「ノートは写す」ことではない
      • 定理の意味は使って初めてわかる
        • 定理をわかることと、証明することは違う
    • 色即是空、空即是色
      • 色と空は表裏一体
      • 色は具体、空は抽象
  • III 数学の楽しみ
    • 数学者と物理
      • 有限のところで切って考えるよりも、無限まで延長しておいた方が、論理的に透明になる
      • 数理○○学と数学との分離・乖離・使用言語の不整合
    • オイラー応用数学
      • 目前の問題を解いた数理物理学と、その解法の奥に潜む解析の本質に思いを致して、無限解析を発展させたオイラー
    • 数学の楽しみ
      • 数学理論が科学現象と深く関連し、現象の方からも、理論に働きかけて、発展方向を示唆してくれるような場合に数学の楽しみを真に味わえる
    • 数学の科学的側面と芸術的側面
      • 反例の役割
      • 利用できない「芸術的側面」
  • IV 確率論とは何だろうか
    • 確率論の歴史
      • 数学は形式
      • パターン
      • 集合論
      • そして確率論
    • 組合せ確率論から測度論的確率論へ
      • コルモゴロフの測度論的確率論によって確率論の公理化に終止符
    • コルモゴロフの数学観と業績
      • コルモゴロフによる高校数学の講義
      • 数学とは「実世界における数量関係と空間形式の科学」
      • 数学の応用の二つの傾向
        • 「研究対象(現象)の形式だけをひき離して、この形式を論理的に解析する」
        • 「既に確率された形式に合致しない『現象の面』を明らかにして、もっと柔軟性があって、『現象』をもっと完全に包み込むような新しい形式へ移行する」
      • 数学の適性
        • アルゴリズムの能力
          • 複雑な式の上手な変形、標準的な方法では解けない方程式を巧妙に解くことの能力
        • 幾何学的直観
          • 抽象的なことでも、頭の中で、目に見えるように、描いて考えられること
        • 一歩、一歩論理的に推論する能力
      • 大学の数学教育でのよい教師
        • 講義がうまい
          • 他の科学分野の例を引いたりして、うまく学生を引き付けられる
        • 秩序だった説明と広い数学の知識で学生を引き付ける
        • 個人教授にすぐれている(特にこれ)
          • 個々の学生の能力をよく見きわめて、その能力の範囲で仕事をさせ、学生に自信をつけさせる
        • その他
          • 関数解析を、日常の道具として自由に使えるように教育すること
          • practical workを重視すること
  • V 確率論と歩いた60年
    • 確率論と歩いた60年
      • 先人たちの作品の美しさに感動し、自分の直観(intuition)と想像(imagination)の限りを尽くして、新しい美しさを付け加えようと努力している点では、数学者も、美しい作品を作り出す作家や作曲家と同じ意味で「詩人」であり、さらに現代の価値観の境界線上を彷徨う人々も、「詩人」と数えられてこそ「新しい価値観」であり得るのではないか
      • 数学オリンピック」のメダリストたちは頭が良すぎるので、一つの問題を三十分以上は考えられないのでしょう
    • 確率解析の研究を振り返って
  • VI 思い出