メソッド早読み:概説編

  • 昨日、外部の勉強会に参加させていただき、ゲノム分野に身を置いて日の浅い方に論文を紹介していただいた
  • 次世代シークエンサーを使ったゲノムとトランスクリプトームに関するNature論文で、本文は(articleだけれど)6ページ、メソッドを中心としたサプルが71ページという論文(こちら"Transcriptome and genome sequencing uncovers functional variation in humans")だった
  • 徒手空拳でこのサプルにある解析メソッドを頭から通読するのは、得策ではないが、かといって、何をどう測っているのかについて、適当に流してしまっては、いつまで経っても分野の流儀に慣れることができないのだが、さて、どんな風にアドバイスすることができるだろうか、という視点から、この論文を眺めてみたい
  • 1. アブストラクトを読んで、根幹を確認
    • トランスクリプトーム(mRNA,microRNA)の多様性の評価
    • トランスクリプトーム多様性とゲノム多様性との関係評価
    • サンプルは462個人由来のlymphoblastoid cell lines
    • 実験は次世代シークエンサー
  • 2. メインの図表を確認
    • 筆者が気にしていることが図表になっている(ことが多い)
    • その手順
      • 上記の根幹のどれに相当するかをチェック
      • 評価基準・評価尺度を確認
        • 評価基準・評価尺度はその名称、略称ならその正式名称を確認し、名称のみから、それが測っている内容を類推
        • その上で、メインテキストには、評価基準・評価尺度がなんであるかについての端的な説明語句が付いていることが多いので、それを確認
        • それでもわからなければ、サプルをブラウザの検索機能を使ってスキャンして必要な情報を取って、自分の言葉で表現する
        • それでわからないときは、すでにそれが、「業界」の常識と化している様子なので、グーグル検索してもっとも端的な説明を探して自分の言葉でメモをする
      • その上で、図表を「読ん」で、アブストラクト・メインテキストでの「文章的主張」との整合性を確認