ケースだけで解析SCCS

  • Self-controlled case series(SCCS)
  • ワクチン接種による副作用、薬による副作用などは、頻度が低いこともあり、市販後に顕在化する可能性がある
  • 市販後ということはケース・コントロールスタディではないわけで、ケースだけで接種・投与と副作用発現とに関係があるかを判断する必要がある
  • そんな場合のための解析がSCCS
  • ペイパー
  • 基本は次の通り
    • ケースn人は全員、「曝露」と「副作用と思しき現象の発現」と、「その曝露後x日目」という情報を持つ
    • 曝露によって副作用と思しき現象の発現率が影響を受けるのか受けないかを判断したい
    • 曝露後の期間をNt個の区分期間に区切る
      • 曝露と発現に関係がなければ、全区分期間の発現率は等しいはず
      • 曝露と発現に正の関係があれば、曝露後の特定の区分期間の発現率は、ベースライン区分期間のそれよりも高いはず
      • この区分期間別の発現影響を回帰で推定する
    • ケースn人はそれぞれ別人であるので、個人別リスク項を設定することで、個人に帰属する諸々での条件付けをする
    • これについて、\mu_i(t,d) = exp(\alpha_{id} + \sum_{j=1}^{Nt}\beta_{dj}X_j(t)のような、発生率関数モデルを立てる。\mu_i(t,d)は第i番目の個人の時刻tでの、ワクチン・薬の投与量dでの発生率。\alpha_{id}は個人iの投与量dでのリスク、\sumの項は、区分期間ごとに与えた係数\beta_{dj}で、X_j(t)は第j区分区間における、時刻t、考慮するべきか否かを指定する変数
    • これに、個人の年齢等、通常、使うような変数を持ち込むことは可能
  • さらに。
    • 報告は「曝露後に発現すると報告される」というバイアスに対処するべく、「曝露からの時間による、報告されやすさの関数」を入れることがある
  • そのうえで、ポアソン事象として尤度関数を作り、係数を最尤推定する
  • ノンパラでは、区間の長さなどは考慮せず、区間をカテゴリとして扱う
  • パラでは、区間に時刻パラメタを設定し、区間ごとに時刻に応じたリスク関数を設定して、その関数のパラメタを推定対象とする
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