太田朋子博士の文化勲章

  • 今年の文化勲章受章者の発表がありました。マスコミでは、ノーベル賞大隅先生が一番大きな扱いで、遺伝学の太田先生のそれは非常に地味な扱いでしたが、さすがに国立遺伝研にはきちんとプレスリリースがありました(こちら)
  • 受章功績の一番のものは「ほぼ中立説」のようです
  • 進化では、「有利なように…」という目的論的に見えるけれど、変異自体は、有利不利について中立である、というのが木村資生先生の中立説なわけですが、その説明では熱力学的な無限・微分可能仮定に立っていて、不利な変異が蓄積することが説明できません。
  • 遺伝的浮動というのは、有限個体集団での変異の広がり・発生・消滅の様子を説明するもので、そのような条件では、「たまたまの固定」が起きることから、不利な変異の定着も説明できる、という話です
  • 生物学の現象ではこのように「有限性」とそれに基づく「確定性」が色々なところに見られます。