グラフ理論入門 10 曲面上のグラフ
10 曲面上のグラフ
10.1 グラフの循環
- 黒頂点に到達したときに、左方向に方向転換、白頂点に到達したときには右方向に方向転換する、という規則で、頂点が白黒に塗られたグラフを移動するようにしてやると、白黒の塗り方は、回路(circuit)を定義していることになる。
- 環状循環(circular rotation)
- 循環ρによってもたらされる回路の個数をr(ρ)で表す。
- スキーム(scheme)
- 頂点に番号をつけ、すべての頂点について、その頂点と隣接する頂点を書き上げたものを、スキームと呼ぶ。
- グラフの書き下し方法の1つである。
- 循環(rotation)
- ある頂点において、隣接する頂点ラベルを順列として表現すると、スキームになる。
10.2 平面的グラフ・再考
- 連結な平面的グラフ(connected planar graph)
- グラフGが連結で、Gの循環ρでp-q+r(ρ)=2を満たすものが存在するとき、Gは平面的グラフであると呼ぶ。
- 平面的循環(planar rotation)
- 平面的グラフGにおいて、p-q+r(ρ)=2を満たすような循環ρを、平面的循環と呼ぶ。
- 極大(maximal)
- 平面的グラフが極大であるとは、任意の隣接していない2頂点を1辺で結ぶと、得られたグラフが平面的でなくなるときを言う。
10.3 グラフの種類
- 閉曲面(closed surface),境界を持たない曲面(surface without boundary)
- トーラス(torus)
- 種類gの向き付け可能な曲面(orientable surface of genus g)
- 種類(genus,g)
- グラフGを埋没可能な曲面Sgのgの最小値のこと。
- 平面的なグラフの種類は0である。