関数の展開(テイラー展開と漸近展開)(駆け足で読む統計学のための数学入門30講 7)

  • 第7講 関数の展開


テイラー展開は無限回数微分可能な関数を用いて、非多項式多項式に書き換えることである

漸近展開は、複雑な関数を性質のわかっている簡単な関数の有限個の定数倍の和に近似する手法で、テイラー展開できない微分不可能(な領域を含む)関数についても適用可能である

_n¥mathrm{C}_k=¥frac{n!}{k!(n-k)!}=¥frac{n(n-1)(n-2)¥cdots(n-k+1)}{k!}自然数n,kについて定義されているが、今、n,kのうち、nを有理数aとしてやっても、式は成り立つ。これを¥begin{pmatrix}a ¥¥ k ¥end{pmatrix}と表記する。[a=-n]ただし、nは自然数としたとき、『負の2項分布』と呼ばれる。テイラー展開を用いることで、『n回成功するまでにk回の失敗があって、総計n+k回の試行をした場合を考え、そのときの失敗の回数の確率分布がP_r(x=k)=(-1)^k¥begin{pmatrix}-n ¥¥ k ¥end{pmatrix}と表されることが式変換にて示される。

    • 幾何分布はn=1であるような負の2項分布である
  • ポアソン分布の分散もテイラー展開を用いて式変形できる
  • 確率分布を正規分布やその他の性質のよくわかっている分布に近似することはよく行われる。漸近展開は、解析対象分布関数を、正規分布などの近似使用としている関数とそれ以外の項に分けて展開することで、ある条件下(標本数が十分大きい場合(大数))でどのくらい近似がよいかなどの評価をする際に利用できる

[tex:_n\mathrm{C}_k=\frac{n!}{k!(n-k)!}=\frac{n(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)}{k!}]
[tex:\begin{pmatrix}a \\ k \end{pmatrix}][tex:P_r(x=k)=(-1)^k\begin{pmatrix}-n \\ k \end{pmatrix}]

  • コメントをいただきました。テイラー展開と漸近展開との関係がわかりにくい記載だ、との指摘なのかと思います。テイラー展開と漸近展開との相互関係については、こちらで。