6 進化型計算の動向



  • 進化戦略(Evolution Strategy)

n次元実数空間において非線形最適化問題を解くことを目的に開発されたアルゴリズム正規分布に従った摂動を加える(変異に相当)。組み換え演算の組み込みも可能。個体の進化を想定している。適応度を指標に確定的に次世代個体を選択する。次世代の選択には子世代からのみの場合と親・子両世代からの場合がある。多峰性局所解があり、微分などに向かない関数用

  • 進化プログラミング(Evolutionary Programming)

種の進化の原理を利用。種間では組み換えは起こらないので、進化プログラミングでは組み換えは持ち込まず変異のみを用いる。選択は確率的。

  • 遺伝プログラミング(Genetic Programming)

機械学習によりプログラムを自動生成しながら進化的に改善していく方法である。

  • 遺伝アルゴリズム(GA)、進化戦略(ES)、進化プログラミング(EP)、進化プログラミング(GP)の相互比較

相互は「遺伝原理の応用」というところで一致し、相互の垣根はなくなりつつある(もうない?)

    • 個体

GA:離散値、ES:連続値、EP:連続値、GP:木・S式(LISP)

    • パラメタ調整

GA:しない、ES:共分散行列、EP:分散、GP:しない

    • 適応度

GA:目的関数値(スケーリング)、ES:目的関数値、EP:目的関数値(スケーリング)、GP:プログラムとしての機能評価結果

    • 変異と組み替え

GA:組み換えが主・変異は補助的、ES:変異が主・組み換えは補助、EP:組み換えが主、変異は補助

    • 選択・淘汰・複製

GA:確率的・保存的、ES:確定的・消滅的、EP:確率的・消滅的、GP:確率的・保存的

  • 対話的進化
    • 適応度の定義が確定的でなく、変化するような環境で、それらに応じて、「最適解」を更新させるようなシステム。入力値を受け付けながら、最適解を経時的に変化させる
  • ゲーム理論

ゲーム理論では、複数のプレーヤーがそれぞれの行動をとる中で、相手の出方に対応しながら行動を決めていく。最適化問題においてもこのようなゲーム理論の枠組みでの利用が考えられる