第4限 領域の連鎖不平衡の評価と連鎖不平衡ブロックの作成



あるマーカーとあるマーカーの間の連鎖不平衡の強さは、そのマーカー間におきた組み換えの多寡を反映している。組み換えは、マーカー間の距離と、その2マーカーが共存した時間とに影響を受ける。近接するマーカーよりも互いに遠距離にあるマーカー間の方が組み換えはおきやすくLD指標は小さくなるし、マーカーのうちの若い方が若い方(発生してから間のない)が、両マーカーともが古くから存在しているよりもLD指標は大きくなる。今、ある領域に複数のマーカーがあると、そのマーカーの数Nに対して、¥frac{N¥times(N-1)}{2}ペアがあり、そのそれぞれに連鎖不平衡係数と連鎖不平衡検定とを実施することができる。今、DNA配列上のある1点について、そこにどれくらい組み換えが起きたかは興味の対象である。それを知るには、その1点をまたいでいるSNPペア間のLDの情報がすべて役に立つ。これが、領域のLD解析の基礎である。¥frac{N¥times(N-1)}{2}をプロットしたのが、HaploviewのLD plotタブであり、そこには、LD係数・その色分け閾値などの描図オプションによりさまざまに描くことができる。また、その画面では右クリックにより、任意のSNPペアのLD関係に関する情報の表示も可能である。

    • 2次元のLDの分布から、連鎖不平衡が強く残っている領域と連鎖不平衡が残っていない領域に分けられるとすれば、強く残っている領域はLDマッピングにて関連マーカーが存在知る範囲に相当するから、2次元LDの情報を用いて、ブロックを区切る方法がいくつか示されている。既述のように、2次元LDの情報はマーカーの老若に左右され、また、マーカーがない部分については、情報が欠落しているという限界を知った上で、利用するべきである。
    • Haploviewでは3つのLDブロッキングの方法が選択できる。その内容についてはこちらの記事で。
    • LDブロックを利用せず、入力データ全体を一塊としてハプロタイプ解析などをするためには、いずれかのLDブロッキング方法を選び、そのブロック形成のために指定する閾値として、もっともLDブロックが広くなる値を与えればよい。