次元



  • 『次元が違う』
    • 次元とは。この世の中で、それ以外の何によっても代用できない基本性質のひとつひとつのこと。Wikipediaの記事がよい。
    • 次元は、他のものによって代用できない基本性質だが、世の中の基本性質(根本)というものは、捉えたくて捉えきれない虹のようなものであり、わかりにくい。別の言い方をすると、基本性質の個数は変わらないけれど、その立ち現れ方はさまざまである。たとえば、3次元空間というのは、xyz軸の3基本性質によって立つが、それらはx'y'z'の3軸に見えることもある。3次元空間を3つの代用不可能な基本要素にばらしている点でxyz もx'y'z'も同じだが、見る立場によってそれは異なるということになる。ただし、「本質は互いに独立な3軸」であるから、x'y'z'のそれぞれは、xyzの組み合わせになっている。
    • 次元=基本性質は基本であるが、それらの間には組み合わせ効果がある(こともある)。
  • ベクトル、ベクトル空間とは。
    • ベクトルは、この世の実体の基本性質を列挙したもの。基本性質は次元であるから、ベクトルの要素は次元に対応する。ただひとつの基本性質を記述すれば、1次元ベクトルになるし、n個の次元を列挙すれば、要素数nのベクトルが出来る。
    • この世の実体は実にさまざまである。あまりにもかけ離れた実体は、基本性質に該当データなし、となるかも知れない。このように、ある実体とある実体とを併せて考えようとするときに、相互に持たない次元のデータとともに解釈することはできないので、複数の実体を解釈するときには、共通する次元のベクトルを作成して比較する。
    • このように、共通する次元について記述されたベクトルの集合は、解釈の対象となる。解釈の対象となることを、(n次元)ベクトル空間を構成する、という。
  • 関数、双対空間
    • ベクトルは実体に与えられた、次元数のデータセットであった。
    • 実体を解釈する、とは実体のもつデータから、知りたい点に着目した値を取り出す作業である。このデータから値を算出する関係を関数と言う。
    • データセットと値との関係が線形であるとき、このデータセットと関数とは『線形代数』で表されている。
    • データセットから値を算出する関数は、ベクトル空間がn次元ベクトル空間であるとき、そのベクトル空間を張っているn個のベクトルの転置ベクトルn個の組み合わせで表される。このようにn次元ベクトル空間のベクトルに適用する関数もn次元ベクトルの空間にあることがわかる。ただし、関数を構成するn個のベクトルは元のn個のベクトルと異なるので、関数が存在しているベクトル空間は下のベクトル空間と異なる(とはいえ、関係している)。このように関数の存在しているベクトル空間を双対空間と呼ぶ。
    • 実体の解釈を個々の実体に行うこともあるが、多くの場合、複数の実体m個について、比較検討することが多い。今、m個の実体について、ある1つの観点で解釈するとすると、それに対応する関数が1つあって、m個の値が返ってくる。今、m個の実体について、s個の解釈をするためにs個の関数を用意することもできる。このときには、m x s個の値が返ってくる。m個のn次元ベクトル実体について、s個の解釈をする。s個の解釈はs個のn次元関数であり、結果はm x s個の値である。これは行列計算になっている。元のデータはn次元データを横に並べたベクトルがm個縦に並んでいる(m x n行列)。これに、n次元双対空間ベクトル(要素数nの縦ベクトル)である関数がs個横に並んだ行列(n x s行列)を右から作用させる。答えは、m個の実体に対して、その特徴を現す値がs個並んだベクトルがm個縦に並んだ行列となる。(ここの関数のかけかた(右向き・左向きは逆かも知れない)
  • テンソル外積空間
    • 次元は基本性質であるが、次元同士には組み合わせ効果がある。2つの次元の場合には、次元に関係ない効果1、独立効果2と組み合わせ効果1(1+2+1)、3つの次元の場合には、次元に関係ない効果1、独立効果3と2つの次元の組み合わせが3、次元の組み合わせが1(1+3+3+1)・・・・というように。このように考えるとn次元ベクトル空間の独立因子は、2^nとなっている(2項定理に関する記事を参照)。このように、n次元ベクトル空間についてその組み合わせも考慮すると、2^nの独立なベクトルが、このn次元ベクトル空間に存在する。これを、ベクトル空間の外積と呼ぶ。
    • この外積ベクトルには、代数として完結する特性があるので、外積代数 exterior algebra という呼称もある。
    • 今、ある実体について、n次元ベクトル空間を考えていたとする。2^n独立な外積ベクトルが対応する。また、同じ実体について、m次元ベクトル空間とその外積ベクトルm^2を考える。n次元とm次元には重なりがないとすると、n+m次元ベクトル空間とそれが作る外積ベクトル(独立要素)の組み合わせはすべて独立なので、2^n ¥times 2^m = 2^{n+m}の独立要素が生じる。これがn次元ベクトル空間とm次元ベクトル空間を合わせたベクトル空間の外積である。