7 傾向性の検定
- 傾向性の検定とは、カテゴリに順序をつけて、それに重み付けをし、その付与した重み付けの具合と一致しているかどうかと、すべてのカテゴリが平等であるかどうかと比較して、検定するものである
- フェノタイプ数が2の場合
- SNPケース・コントロール関連解析における傾向性の検定で理解する
- 分割表は2x3である
- ジェノタイプは3種類ある
- 2アリルの片方について、0本、1本、2本を持つ、3ジェノタイプと考える
- 3ジェノタイプが平等である、というとき、このジェノタイプに{a,a,a}という重みをつける
- 今、3ジェノタイプに{a,a+b,a+2b}という重み付けをする
- これは、着目しているアリルをもつ本数に比例した重みである
- 着目アリルの本数に比例したリスクがあるのではないか、というモデルについて、平等モデルに対して検定をする場合には、このような重みのモデルを用いる
- 今、3ジェノタイプに{a,a+b,a+b}という重み付けをする
- これは、着目しているアリルを1本持つ場合と2本持つ場合とで、同じリスクを持つというモデルである(アディティブモデル)
- これは、優性モデルである
- 今、{a,a,a+b}という重み付けをする
- これは、劣性モデルである
- その他、任意の重み付けも可能である
- 自由度
- 2x3分割表は自由度2であるが、2x3表の傾向性の検定は自由度1である
- 重み付けは{a,b,c}のようにできるが、この重み付けは{0,x,1}という重み付けでxを適当にとることで代用できるので、パラメタ数はxの1個のみである。3ジェノタイプが平等であるというモデルでは、重み付けが{0,0,0}のように、パラメタ数が0個なので、自由度はパラメタ数の差である1である
- したがって、いわゆる{0,1,2}={0,0.5,1}の傾向性の検定も優性モデルの検定も劣性モデルの検定も自由度は1である
- 検定
- アディティブモデル
- 2つの漸近近似統計手法が知られる
- Cockran-Armitageの傾向性検定
- Trend カイ自乗検定
- いずれも自由度1のカイ自乗分布にてp値化する
- 両者はわずかに異なり、どちらを用いても実質的に変わらない
- 2つの漸近近似統計手法が知られる
- 優性モデル・劣性モデル
- 2つの漸近近似統計手法が知られる
- アディティブモデルで用いるTrendカイ自乗統計量を、重み付け{0,1,1},{0,0,1}にて計算し、自由度1のカイ自乗分布にてp値化する
- 優性・劣性モデルに照らして、2x2分割表を作成し、2x2表のカイ自乗統計量を計算し、自由度1のカイ自乗分布にてp値化する
- 両者はまったく同じである
- 2つの漸近近似統計手法が知られる
- アディティブモデル
- ジェノタイプ数が3以上の場合
- ジェノタイプ数が増えても、考え方は同じ
- CNPジェノタイプに、そのコピー数の和によって順序を与え、それをあるコピー数和を基準に2分するのは、重み付けを{0,0,..,0,1,1,..,1}とするモデルである
- コピー数和そのものを重みにするモデルとすれば
- ディプロタイプ的ジェノタイプの場合の重み付けは{2Cm,2Cm+1,2Cm+2,...,Cm+CM,2Cm,2Cm+1,2Cm+2,...,Cm+CM+1,.....,2CM}
- コピー数和的ジェノタイプの場合の重み付けは{2Cm,2Cm+1,2Cm+2,...,2CM}
- 自由度は1
- SNPケース・コントロール関連解析における傾向性の検定で理解する