- n 個の対象に対し各2回の観察をする
- nペアの量的データが得られる
- 変化量に興味がある
- 増えた対象もあれば、減った対象もある
- 増えがちなのか、減りがちなのか、そうとも言えないのか、が判定したい
- 要点
- 「まさにそうとも言えない」データはどういう場合なのか
- 順位は対象数が増えると大きくなるが、対象数に影響されないようにはできないか
- どういうときに「そうとも言えない」のか
- 符号順位検定では、変化量の絶対値に順位をつける。
- 変化量の絶対値の順位が1の対象で、増加、順位が2で減少、3で増加、4で減少、というように、「増、減、増、減、・・・」と繰り返すと、「増」のランクが小さ目に出るから、これは「増の傾向があるデータ」であることになる
- 「増、減」がランダムな順序のときに、「増傾向があるとも減傾向があるとも言えない」場合になる
- これは、変化量の分布が増側と減側で対称のときに起きる。したがって、変化量の増減が対象性であるときには、「そうとも言えない」ことの十分条件のようだ
- そうすると、「増、減、増、減、減、増、増、増、減、増、減、減、減、減、・・・・」とランダムなときには、おおよそ0が返るだろう
- 以下、は、増側・減側を非対称になるようにして、増減の期待値が0になるような変化量データセットをたくさん作って、統計量の分布を取った
- 増減が対象なら、「統計量は0を中心に分布」するが、増減が非対象だと、「統計量は0からはずれたあたりに分布して、『増減』の傾向があることを示してくれる
Niter<-1000
ret<-rep(0,Niter)
ret2<-rep(0,Niter)
sd1<-1
sd2<-sd1
N1<-N2<-10000
for(i in 1:Niter){
A1<-abs(rnorm(N1,0,sd1))
A2<--abs(rnorm(N2,0,sd2))
A<-c(A1,A2)
hist(A)
A<-A-mean(A)
hist(A)
absA<-abs(A)
R<-rank(absA)
S<-sign(A)
I<-(S+1)/2
ret[i]<-sum(R*I)
ret2[i]<-sum(R*S)
}
ret3<-rep(0,Niter)
ret4<-rep(0,Niter)
sd1<-1
N1<-N2<-10000
for(i in 1:Niter){
A1<-abs(rnorm(N1,0,sd1))
A2<--abs(rnorm(N2,0,sd2))
A<-c(A1,A2)
hist(A)
A<-A-mean(A)
hist(A)
absA<-abs(A)
R<-rank(absA)
S<-sign(A)
I<-(S+1)/2
ret3[i]<-sum(R*I)
ret4[i]<-sum(R*S)
}
par(mfcol=c(2,2))
hist(ret,main="対称,普通の符号順位和")
hist(ret2,main="対称,えこひいきなし")
hist(ret3,main="非対称,普通の符号順位和")
hist(ret4,main="非対称,えこひいきなし")
par(mfcol=c(1,1))