ぱらぱらめくる『自己・あいだ・時間』
![自己・あいだ・時間―現象学的精神病理学 (ちくま学芸文庫) 自己・あいだ・時間―現象学的精神病理学 (ちくま学芸文庫)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qnuoMJwjL._SL160_.jpg)
- 作者: 木村敏
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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- こんな話もした
- 精神疾患の遺伝因子解析は歴史が長い
- その成果産出にはかなりの困難が伴ってきている
- その一つの理由は表現型の取り方の困難さによるのは間違いない
- この本をぱらぱらめくることで、精神科領域を端緒として、解析用表現型の定義について応用の効くアイディアを拾ってみたい
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- 同一疾患の型分け
- 複数カテゴリからの単一選択ではなく、複数選択を基本とする
- 病的表現型と、それに結びついているように見える病前性格とのN対M関係の偏り
- 表現型に自他関係が入り込むこと
- 自他関係という環境の微分が表現型を左右する?
- 自は1つ、他は複数。この自他関係空間は多次元、多次元格子?、格子は歪みがある?
- 「時間認識」
- 微分と偏微分
- 循環病質の病前性格
- 3特徴あり、1つは全員にあてはまり、残りの2つは2つの亜群に対応付けられるという
- 循環病質に関する記述を考えるとき、観察項目が量的であり、その「平均」に関する形質なのか「分散」に関する形質なのか、それよりも高次のモーメントに関するものなのかという視点を入れると、数量的表現が可能になりそうに見える
- また、分散が個人内のことであるなら、分散の大きさである「振幅」とその「周期」とを記載することは重要
- ストレスを契機にする…
- ストレスって何だろう
- 「負荷」
- システムが「負荷」とみなす何事も「負荷」
- システムにとっての「負荷」とは、「守るべきもの」のかく乱要因と言えるのか
- システムについて、状態時空間内の軌跡で考えると、「かく乱」は軌跡をある方向へ引っ張ったり、前後に動かしたり、かき回したり、一定の「風」を吹き付けたり、ちょん切ったり、することと言えようか
- ストレスがうまく解析に乗せられると、ずいぶん、見通しはよくなりそうだ
- 心的ストレスも身的ストレスも
- ストレスって何だろう
- 自然言語表現と数学用語表現
- 「精神医学書」の性格を持つ本であるから当然であるが、「自然言語」で書かれている
- しかしながら、多数の数量化表現や運動状態表現が出てくる
- 「直線的」「動揺」「平衡」・・・
- それを言ったら、身体医学用語も・・・
- 「発赤」「腫脹」「硬化」「角質化」、山のようにある
- それらが数式・確率的にどのように書かれるかを整理するだけでもずいぶんと(解析側からすると)見通しがよくなるのでは
- 外界との反応
- アイデンティティ
- 精神科でのアイデンティティとそれに関する不具合がある
- 免疫学的なアイデンティティとそれに関する不具合には、移植・免疫抑制・GVHDなどがある
- 多重人格は、複数のHLA型の混在状態(HLAでは混在は、原則として生存不能だが、精神の場合は、それほどでもない、とか。それを許すことを前提に、どの程度、いかにして許すか、とか…)とGVHDが複雑化したもの?
- 精神科でのアイデンティティは、「0か1か」ではなく、「A、B、C…の共存関係は?」とか「順序・半順序は?」とか、「グラフ理論的関係とその安定は?」とか、そんな取扱いがふさわしいかもしれない。それは、精神科だけではなく、複数の状態の混成として存在する身体的・生理的な何か、にも当て嵌めうる考えかたではあるだろう。そのような何かがあれば、ですが
- 「○○は一義的に定義できない」
- 一義的に定義できないからと言って、「複雑怪奇」にして、解析不能の罠に陥っていないだろうか?
- 複数の定義があって、それが独立なら、定義ごとに検定をして、ボンフェロニするなり、FWERするなりすればよい
- 複数の定義があって、それが従属なら、パーミュテーションして、統計量の相関を含めて判断材料に持ち込めばよい
- 「『一義的に定義できない』のは、おまえだけじゃあない」
- 器質的と機能的
- 「あからさまな形の変化」があれば「器質的」
- 「器質的」でなければ「機能的」
- 「器質的」と「機能的」が根っこで同じなのか違うのか、それが問題だ
- 「器質的」尺度と量的関係にある「機能的」尺度があって、「機能的」尺度が「器質的」変化なしにも、変化するとき、両者はつながる
- 感じ方が変わること
- 妄想の2種
- 他者が関与する妄想とそうでない妄想
- 他者が関与する妄想はゲーム理論的なので、ダイナミズムが生じうる(振り切れることもある、消滅することもある)
- 他者が関与しない妄想は平衡状態に達するだろう
- 情報の受け入れと処理
- 視覚情報は視神経を通じて脳内に入り、処理されることを繰り返され、処理の仕方が確定していく
- 聴覚も。嗅覚も。味覚も。触覚も。
- 刺激があって、それへの対応パターンが作られる
- 触覚だけでなく、皮膚の化学刺激(蚊に刺されるとか)も。
- 外来からの物質刺激の受け取りということでは、免疫反応も(ただし、その処理パターンは「脳」がやっているわけではないか…)
- 複合的刺激・入力(会話とかコミュニケーションとか)も、「専用の知覚器官」がないだけで同じこと