- 「状態を観察して診断して介入計画を立てて介入結果を観察して介入効果を判断する」というごく単純な枠組みを考える
- これを経時的に行うと真の状態は不明なままに観察のみを用いて操縦することと同じになるのでカルマンフィルタ的なプロセスになる(がここではこれ以上は取り上げない)
- (確率)変数
- 状態変数
- 状態に関する変数は介入前と介入後の2つ
。有限集合であるとする(が、どこかしらで連続(な部分を有する)空間としても捉えて行くことになる)
には、状態推移行列(のようなもの)がある。介入しないならば、それは自然経過と呼ばれる状態推移行列になる
- 観察項目の変数
- 状態変数は直接観察できない
- 観察項目を立ててそれを観察する
- 観察項目の変数は多数ある
- 観察項目には性別・年齢も含まれれば、signs and symptomsも含まれる。既往歴とか家族歴、社会歴もここに入る
- 介入前の観察と介入後の観察とは別物なので、介入前と介入後とに、それぞれ全観察項目のセットがある
- またここに入るのは「観察可能な項目」という意味であって、これらのすべてを実際に観察するかどうか、その観察結果を使うかどうかは別問題である
- 診断名という変数
- 診断名はたくさんある
- 観察項目の情報からすべての診断名の事後確率が決まる
- 観察項目をどのようにベイジアンネットワークに組上げるかは、一大課題だが、ここでは、何かしらのネットワークがあるものとする
- それがない場合には、すべての観察項目が作る膨大な場合分け多次元分割表のセルの数だけカテゴリがあるような「観察項目の掛け算としての診断名」がある
- また、ここで言うところの「診断名」とは、広義の診断名である。たとえば、疾患Xというのは狭義の診断名であって、「女性で年齢が45歳で、身長体重がこれこれで、家族歴がこれこれで、検査結果がこれこれ…であることから、いわゆる臨床診断名がXであるような人」というのが広義の診断名である。この広義の診断名にある情報を用いて、同じ疾患Xであっても採用する治療法が違うかもしれないし、用量が異なるかもしれない。そのような個別化するための情報を携えた診断名のこと
- または、この診断名を狭義の診断名とみなすこともできる。その場合は、診断名と介入前観察項目の組合せにより介入効果が変わるので、介入前観察から介入後観察へのエッジが必要になる
- 治療介入という変数
- 治療は複数ある
- それぞれの治療を介入前の状態に適用すると、介入後の状態がもたらされる
- 介入後の観察
- 上述したように、介入後には介入後の状態の観察結果がある
- 介入の評価という変数
- 介入前と介入後との違いが介入の評価である
- 真の介入評価変数は、介入前の状態と介入後の状態との比較から得られる
- 実際には、真の状態を比較することはできないから、介入前の観察と介入後の観察との比較が得られる
- これは、介入の真の評価の「観察版(推定値)」である
- 評価には、尺度が必要なことが多い。「5年後に生きているかいないか」という0/1の評価もあれば、「QOL主観的アンケートの得点で評価する」、というような尺度もある。いずれにしても、介入前後の状態空間の位置?の差を評価尺度に射影したもの
- ネットワークを絵にしてみる

strict digraph G{
graph [compound=true];
graph [charset="UTF-8",fontname="MS UI Gothic"];
node[charset="UTF-8",fontname="MS UI Gothic"];
edge[charset="UTF-8",fontname="MS UI Gothic"];
S_pre[label="介入前状態",style=filled,color="#aaaaaa"];
S_post[label="介入後状態",style=filled,color="#aaaaaa"];
subgraph cluster_obs_pre {
node [style=filled,color="#EE82EE"];
T1 T2 T3;
label = "介入前観察";
}
subgraph cluster_obs_post {
node [style=filled,color="#8B008B"];
t1 t2 t3;
label = "介入後観察";
}
D_pre[label="介入前診断",style=filled,color="#ffbb22"]
D_post[label="介入後診断",style=filled,color="#ffbb88"]
R[label="介入",style=filled,color="#11ff11"]
J[label="介入前後判断",style=filled,color="#aaaaaa"]
J_obs[label="観察に基づく介入前後判断",style=filled,color="#ffbb22"]
S_pre -> T2 [lhead=cluster_obs_pre];
T2 -> D_pre [ltail=cluster_obs_pre];
T2 -> t2 [ltail=cluster_obs_pre,lhead=cluster_obs_post];
S_pre -> S_post;
R -> S_post;
S_post -> t2 [lhead=cluster_obs_post];
t2 -> D_post [ltail=cluster_obs_post];
S_pre -> J;
S_post -> J;
D_pre -> J_obs;
D_post -> J_obs;
D_pre -> R;
}