Ancestral Recombination Graph



  • ゲノムDNAは祖先から子孫へと伝えられる。伝えるときに、組換えという現象があり、あるゲノムDNAは2つの親ゲノムDNAのモザイクとなることがあり、このようなときに子ゲノムDNAを組換え体(recombinant)と呼ぶ。組換えの影響を受けない場合には、1つの親ゲノムDNAから、そっくりそのままのコピーが子ゲノムDNAに伝えられる。この親子関係を図にしたものがARGである。点(ノード)は個々のゲノムDNAに相当し、点と点を結んだ辺(エッジ)が親子関係にあたる。
  • 今、このARGにおいて、変異の発生に関する情報を盛り込むこともできる。そうすることで、ゲノムDNA配列の変遷に関する情報の(ほぼ)すべてをこのグラフによって表すことができることになる。変異は、ある親ゲノムDNAの配偶子DNAに発生するので、ARGにおいては、エッジ上のできごとであるとみなすことができる。
  • ARGについては、観測可能な現在のゲノムDNA配列から、過去に遡って再構築する試みがあり、それについては、Coalescentモデルに基づく方法が提案されている。Coalescentモデルの立場からまとめた記事はこちら
    • ARGについての本メモの先行記事はこちら