フェノタイプ

フェノタイプを捕まえる

フェノタイプを捕まえることは大事 日本では、症状の表現にオノマトペが活躍している オノマトペの活躍は症状の把握だけでなく、いろいろな分野で見られるが、日本語にオノマトペの豊かで多彩な世界が広がっていることは確か 学生さんの短期調査課題として採…

修理する9 境界条件へ

境界条件のある場合の微分方程式の解法→こちら 行列の形にも注意しよう 対角成分と、その対角線の一つ上と一つ下にしか成分がない行列を対象にしている このような行列は「三重対角行列」と言う→こちらを参照 三重対角行列でしかも対称行列な場合は、スツル…

修理する6 指数行列による初期値問題の解

微分行列が以下のようになった 実際、これは行列である 現実的には、逆イベントがかなりの確率で起きるなら、vには現実的な上限があるだろうし vが、「複数個所に起きうる」イベントで、「起きた箇所数」を数えているとしたら、vには真の上限がある その場合…

修理する5 連立微分方程式と初期値問題

について、以下が成り立っている 初期値を考える のとき、得点が必ず0であるとして、その後の得点の推移が問題になっているから 初期値はである この連立微分方程式は という形に書ける、ただし

修理する4 壁がある

「修理は故障があるときにしかできない」という条件を加えよう 言い換えると「v=0のときには、修理イベントが(仮に)起きても、得点はマイナスにならない」となる 「vは0以上の値しかとらない」とも言える 前の記事の進め方を踏まえれば、得点が-1,0,1点、変…

修理する3 行きつ戻りつのポアッソン過程〜酔歩

さて、ポアッソン過程のイベントが起きつつ、修理する系を考えたい 「修理」は「故障」が無いとできないのだが、そのような条件を考えるのは後回しにして、次のように簡単に考える ポアッソンにイベントが起きる。起きたら、得点を1点増やす ポアッソンに逆…

修理する2 ポアッソン過程

ポアッソン過程では、ある単位時間に、あるイベントが起きる確率は一定であるが、いつ、それが起きるのかは予測ができないし、いつも、同じ程度にイベントが起きやすい このようなポアッソン過程のイベントが、実際、ある単位時間内に0,1,2,...回起きる確率…

修理する0 目次

1 イベントが起きては修理する系 2 ポアッソン過程 3 行きつ戻りつのポアッソン過程〜酔歩 4 壁がある 5 連立微分方程式と初期値問題 6 指数行列による初期値問題の解 7 「修理あり故障累積回数確率」の実例 8 「イベント・修理曲面」上に描く曲線 …

11 定常状態

定常状態になっているとして、どういう分布になっているかを考えてみる 状態はのように、片方が閉じた離散的1次元空間 そこに微分係数行列が 定常状態においては、状態に関してとなる。 これを解いていく ... 第1式から、 第2式をから、 ここから、が、こ…

修理する10 テイラー展開

前の記事で引用した近似法にもあるように、テイラー展開をする、という手もあるが…

修理する1 イベントが起きては修理する系

故障がおきては修理する、そんなシステムを考える たとえば、DNAに傷が入ってはそれを修理するような場合を想定している ぽつぽつと起きるイベントがあって、それを起きる端から修理するような状況を想定している そうは言っても、イベントが起きすぎたり、…

修理する8 「イベント・修理曲面」上に描く曲線

イベントと修理が確率的に起きているとき、累積してフェノタイプに影響を与える確率が3次元空間中の曲面で表された ここで、イベント生起確率・修理確率に濃度依存的に影響を与える物質があり、その濃度-サバイバル関係を調べるということは、その物質が濃…

修理する7 「修理あり故障累積回数確率」の実例

イベント・逆イベントの起きやすさ・閾値回数をパラメタにして「修理あり故障累積回数確率」がどうなるかをみてみる # 修復ありポアッソン matrixA<-function(p,q,n,open=FALSE){ k<-p h<-q N<-n M<-matrix(0,N,N) M[1,1]<--k M[1,2]<-h M[2,1]<-k M[2,2]<--…

診断・予後予測

診断と予後予測に関する3つの話題 判断の支援 判断の支援と情報 事前確率・事後確率、ベイズの定理 因 と 果 とをつなぐ 射影して情報が劣化する 情報の次元 微分と積分 線形ではない予測のために - 診断とは、個人の状態に「診断名」というカテゴリカルラ…

0/1から、どう複雑化するか

皮膚のフェノタイプについて以前に、メモした(こちら) 関節リウマチのフェノタイプについて議論する機会があった(こちら) 複合遺伝性疾患の遺伝因子解析について、フェノタイプをどう扱っていきたいか、という点で、メモしなおそう 診断のあり、なし、という…

個体のフェノタイプと細胞生物学・分子遺伝学的フェノタイプ

個体レベルのフェノタイプ 化学毒物の用量反応曲線を考える 投与毒物量と個体レベルのフェノタイプ(発癌箇所数)に関する3つのモデルを考えよう(参考:こちら) 閾値モデル 閾値なしモデル ホルミシス効果モデル ここでのフェノタイプは、「分子レベル・細胞…

(2)確率的考え方が同じ フェノタイプと鑑別診断

確率的なこと 事前確率 鑑別診断では、診断上の情報が与えられる前から、「ありそうな診断」と「ありそうもない診断」とがある フェノタイプにジェノタイプが影響を与える与え方にも「ありそうなもの」と「ありそうでないもの」とがある どちらも、これまで…

(1)構成要素のこと フェノタイプと鑑別診断

(1)構成要素のこと 鑑別診断を構成するもの 原因のリスト 原因を推定するにあたって提供される情報 原因のリストを構成するもの 何が(物理的実在)What どうして(機構)How どうである(機能・状態変化)Verb/adjective 何が(物理的実在)What 解剖学的な実在…

フェノタイプと鑑別診断

こちらから(ケース・スタディ) 鑑別診断(differential diagnosis) 鑑別診断とフェノタイプとは、2点で共通 (1)構成要素が同じ (2)確率的考え方が同じ

フェノタイプの整理メモ 15 確率的に考える10

ネットワークの因子たち(ロトカ=ヴォルテラ編) 多くの分子はネットワークを形成し、フィードバック等の制御構造がある 単純な構造として、ロトカ=ヴォルテラ(たとえばこちら)のような反応ループ関係を取り上げる 初期値が異なるだけで、ループの構成因子の濃…

フェノタイプの整理メモ12 確率的に考える7

病変は単発か多発か 関連記事(こちら) 発病後、一定期間内の活動病変最大箇所数は、シミュレーションの条件により、複数個所をピークとするようになる # 数えられるフェノタイプ # 3ジェノタイプを比較する NL<-1 # 座位数 TL<-120 # 一生は120年 # イベント…

フェノタイプの整理メモ13 確率的に考える8

一過性か慢性か 活動性病変の成立に複数ステップを要し、逆行プロセスがあるとしても、その逆行プロセスの性質によって、活動病変の不活動化や再発には違いが生じるだろう 逆行プロセスの起動感度が低い(ある程度の活動状態(病変として観察されるよりは低い…

フェノタイプの整理メモ10 確率的に考える5

数えられるフェノタイプ、可逆・非可逆 疾患に特有な病変部を数えることができることがある 多発性硬化症の硬化病変数 関節リウマチの炎症関節数 上記の2つの例は「非可逆病変」と「可逆病変(破壊は非可逆・炎症の有無は可逆)」で異なる 「非可逆病変」の場…

フェノタイプの整理メモ11 確率的に考える6

ステージ評価するフェノタイプ ステージ評価型のフェノタイプは、順序があり、ステージの差異は、多くの場合、質的な違いによる また、ステージの逆行は考慮しないものが多い これをモデル化することを考える ステージからへの移行にあたっては、これまでに…

フェノタイプの整理メモ18 確率的に考える14

ネットワークに介入する(遺伝影響) 遺伝子多型などの影響は、因子(分子)の機能に多少の多寡が生じたり、ネットワークを通じて発現促進・抑制をする効率が変化したりする。これは、推移行列の値(微分方程式の係数)に違いをもたらす 以下のソースでは、推移行…

フェノタイプの整理メモ 14 確率的に考える9

右へ行くか左へ行くか、まっすぐ行くか あるスイッチがあって、スイッチを右に倒すか、左に倒すか、倒さないか、という分岐は、一次元入力で(比較的簡単に)構成可能 強い刺激が入れば右(第1の選択肢)、弱い刺激が入れば左(第2の選択肢)、どちらでもなけれ…

フェノタイプの整理メモ16 確率的に考える12

ネットワークの因子たち(推移行列編) と表されるような要素数n(の長さ)の微分方程式の関係を考える ここで、行列を正規直交基底が作るそれとすれば、このような微分方程式においては原点を中心としたn次元球面上を運動する また、の行列式が1である(0ではな…

フェノタイプの整理メモ17 確率的に考える13

ネットワークに介入する(薬物影響)(推移行列編) 前の記事で推移行列が定める球面上の微分方程式の作る軌跡を描いた 今、ある複数因子の系が行列で表されるような微分方程式になっていて、その状態を球面上の点として考えられるものとする この系では、系外の…

フェノタイプの整理メモ9 確率的に考える4

優性・劣性・その間 ここで、常染色体ローカスは2つのアレルからなること、したがって、3ジェノタイプがあることから、3ジェノタイプに群分けして考えることとする これまで(確率的に考える1、2、3)は、ある条件が一つあって、その条件を満足するとき…

フェノタイプの整理メモ6 確率的に考える1

死亡というフェノタイプ 0/1のフェノタイプ すべての人が必ず1に転ずるフェノタイプ 0歳時を例外とすれば、加齢とともに率が上昇し、ピークを迎えて減少するという一峰性の確率分布となる 生命表を例に 年齢別死亡者数をプロットしている ヒトが生まれたら、…