複合遺伝性疾患

遺伝子検査を伝えるための遺伝統計学基礎

こちらの続き 遺伝子検査を実臨床に用いること・リスク情報提供することを主眼において、そのような検査の妥当性がどのようにして得られるのか、その妥当性に照らしてどのように検査結果を解釈するのか、ということを理解するための統計学的背景の理解を目指…

定性的な講義

こちらのトークは、先輩から「どんどん哲学的になっていく」とやんわりと批判された ここで言う「哲学的」というのは、「具体性に乏しい」ということでもあり「定性的」ということでもあるだろうか 比較的「文系寄り」の院生を対象とした講義では、あえて、…

ポスト・GWASは?

東京大学医科学研究所GCOEミニシンポジウム RAのゲノム解析と今後(仮題) 2010年2月4日(金) @ 東京大学医科学研究所 スライド等(ドラフト) コンテンツ: 関節リウマチ(RA)は複合遺伝性疾患としていくつかの特長を持っている 遺伝性がまずまずあること 強力な…

複合遺伝性疾患の遺伝要因の同定と応用、その課題

同定の現状と課題 どのくらいのリスクを持つのか 遺伝的背景の違い 環境要因の違い 組み合わせの解析 応用の現状と課題 先行する薬剤選択 その理由 診断応用 遺伝子組み合わせ 遺伝子多型以外との組み合わせ 遺伝子多型の機能性の確認 多型の機能差 1多型に…

質的形質への多数の遺伝子の影響

疾患(ありか、なしか)のモデル 閾値モデル 遺伝的リスクを量的形質の量とする 確率的リスクモデル 単一遺伝子の場合 多遺伝子の場合 直列のモデル 並列のモデル カスケードのモデル ネットワーク状 遺伝子の組み合わせによるリスク SNPがk個あるときのジェノ…

量的形質への多数の遺伝子の影響を考える

量的形質のモデル 遺伝子間の相互影響を考えないモデル 遺伝要因と環境要因 単純な相加的モデル すべての遺伝子が相互に相加的 すべてのアレルが相加的 関与遺伝子数 (単一遺伝子病) 少数の遺伝子による(Oligo-genic) 多数の遺伝子による(Poly-genic) 重みを…

「複合遺伝性疾患」を分解する

「複合」+「遺伝性」+「疾患」 疾患 個体が持ちうるフェノタイプのうち、そのフェノタイプを持つ個体が不都合であると感じる(場合によっては、そのフェノタイプを持つ個体とかかわりを持つ個体・集団が不都合であると感じる)ものである。多くの場合は、集…

多数の因子の影響

分散という考え方 形質の分散は、独立な要因の分散に分解できる 要因が独立でないときは、単純に要因の分散に分解できない 遺伝率 遺伝因子の分散と環境因子の分散に分解する 量的形質と多数の因子(身長の場合) いくつの因子が関与するか その内訳は 遺伝因…

1遺伝子の影響を分子生物学的に考える

セントラルドグマ DNA mRNA タンパク質 機能性分子 セントラルドグマより多様 多段階 ジェノタイプとフェノタイプ 中間フェノタイプ バイオマーカーという中間フェノタイプ

優性・劣性以外の遺伝形式

優性・劣性遺伝形式 「何かがある」と「●が起きる」 「何かがない」と「○が起きる」 「ある」ものは、遺伝子発現したもの 質的に考えずに量的に考える 質的な評価(優性・劣性遺伝形式) 「何かがある」と「●が起きる」 「何かがない」と「○が起きる」 量的な…

遺伝

似ることの原因が、物質の世代間伝達によること 遺伝子とは 染色体 核染色体 ミトコンドリア染色体 DNA 情報高分子 多型 DNA配列の違い 多型の構造分類 多型のサイズ分類 種の特徴の遺伝とメンデルの遺伝 種の特徴の遺伝 「多数の遺伝子の集合」と「多数のフ…

複合遺伝性疾患とは

具体的にはどんなもの? 少なからぬ人が罹患して(有病率が1%くらい〜数%・数10%) 1個の遺伝子が決定的に決めるわけではない 関与する遺伝子は複数 遺伝因子だけでは決まらない(環境因子も関与する) 確率的に決まる部分

複合遺伝性疾患の整理

M022 ゲノム科学と医療 第7回・第8回 2010年11月18日・25日(第6限) G棟セミナー室B スライドはこちら

量的疾患の解析手法のメモ

複合遺伝性(疾患) 1ローカスによるメンデルの法則によって説明できず、複数の(通常は多数の)ローカスの影響によって決まる遺伝形質(疾患) 遺伝形質 量的形質 質的形質(疾病など) 多遺伝子性(Polygenic) 身長の遺伝子論文 Hundreds of variants clustered in…

配偶子のリスクの分散の大きさ

たくさんのリスク座位がある(すべての多型は機能差を持つ。そしてその機能差はリスクの軸に成分を持つ。ただし、ほとんどすべての座位はその成分が無視できるくらい小さいとする 各座位のアレルのリスクを(ただしは正負いずれの値もとるものとする)と片方…

先日、複合遺伝性疾患のリスクをヒストグラム表示するための簡易Rコマンドを書いた。 その続き。 今、ある複合遺伝性疾患があって、その発病リスクは環境要因と遺伝要因とで構成され、それぞれは相互に独立であり、また、それぞれは正規分布を仮定できるとす…

複合遺伝性疾患の遺伝カウンセリングのための基礎、まだメモ

発病リスクを遺伝因子リスクと環境因子リスクとに分ける。両者が独立であると仮定することが多い 遺伝因子リスクと環境因子リスクはいずれも正規分布を仮定することが多い 両者の和の分布は、平均値は、両分布の平均値の和、分散も両分布の平均値の和 カップ…

リスク分布のプロット。

リスク 遺伝要因と環境要因の和とする。 遺伝要因と環境要因は独立とする。 遺伝要因も環境要因も平均0で分散vg,veの正規分布とする。 #Nは集団の人数 N<-100000 #gvfrac 遺伝率 gvfrac<-0.8 #遺伝要因を正規分布で仮定する g<-rnorm(N,mean=0,sd=sqrt(gvfra…