兄弟(同胞)の遺伝子はどれくらい似ているか

  • 一卵性双生児は遺伝的に同一だから、一致率が1
  • 親子の関係の場合、子はその遺伝子の半分を片親から引き継いでいるので、\frac{1}{2}
  • 兄弟姉妹(同胞)の場合は、親子の半分で\frac{1}{4}
    • したがって、同胞は\frac{1}{4}だけ似通っている…
      • 平均的には。
      • 本当のところはどれくらいだろうか?
  • 今、常染色体k=22本について考える。いずれも長さが等しいとみなして、\frac{1}{k}の寄与をしているとみなす
  • ある同胞が、二人の父親から受け継ぐk本の常染色体について考える
    • 今、組み換えがないとする
      • 同胞の片方が引き継ぐ常染色体は、父方の祖父由来のものか、父方の祖母由来のものかの二者択一である。
      • 同胞のもう片方についても同様のことが言える。
      • k本の常染色体を祖父系・祖母系を区別した引継ぎ方は、2^k通りある。
        • 祖父由来を0、祖母由来を1とすれば、00011010....01のような0,1の並べ方を数え上げればよいことがわかる。この0011...を祖父系・祖母系パターンと呼ぶことにする。
      • 今、同胞の片方がある祖父系・祖母系パターンをとっているとする。
        • もう片方の同胞の祖父系・祖母系のパターンと比べると、一致している染色体の数は、0,1,...,k=22のいずれかである。
          • 今、i本の染色体が一致し、k-i本の染色体が不一致であるとすると、そのような確率は、_k C_i \frac{1}{2^k} \frac{1}{2^k}
          • 同胞の片方の祖父系・祖母系パターンはどれでもかまわないので、 _kC_i \frac{1}{2^k}\frac{1}{2^k} \times 2^k=\; _kC_i \frac{1}{2^k}がそのような場合の確率である。
        • もちろん\sum_{i=0}^k _kC_i \frac{1}{2^k}=1である。
        • さらに、遺伝子一致率の期待値はm=\sum_{i=0}^k \frac{i}{k} _kC_i \frac{1}{2^k}=0.5
        • さらに、遺伝子一致率の分散は\sum_{i=0}^k (\frac{i}{k}-m)^2 _kC_i \frac{1}{2^k}=\frac{1}{4\times k}となるようだ。二項分布の性質から導ける(ようだ)
      • 染色体数が小さければ小さいほど、分散が大きく、染色体数が大きければ大きいほど、分散が小さいことがわかる。染色体数が小さいとき、同胞同士なのに、一致率が低かったり、一致率が非常に高かったりすることが起き易く、染色体数が大きいときは、似すぎていたり、似なすぎたりということが起き難いことがわかる。
    • では組み換えがあるとすると・・・→年末年始の宿題としたい。