駆け足で読む『箱玉系の数理』その3

  • こちらからの続き
  • 第3章 箱玉系
  • 箱玉系は
    • 2値を取る空間1次元のフィルター型セルオートマトン
    • 1の値が有限の時、すべての状態がソリトン
    • 0,1の動きを箱の並びとそこに玉が占拠する状態にもして力学系に拡張したもの
  • 箱玉系の玉移動
    • 手作業的手続き
      • 箱が1列に左右に並んでいる
      • すべての玉を1度ずつ動かして、1セットの動きとする
      • 1セットの中でまだ動かしていない玉のうち、最も左にある玉を最も近い右にある空き箱に移す
      • 1セットの動きを繰り返す
    • 運動方程式
      • ある時点tにおいて、n番目の箱が埋まっているか埋まっていないかをu_n^t=1,0でそれぞれ表す
      • u_n^{t+1} = min(1-u_n^t,\sum^{n-1} u_i^t -\sum^{n-1} u_i^{t+1})
      • minの第1項は、「前時点に空でなければ現時点では玉は入れない」を表す
      • minの第2項は、「詰めてもよい空き箱の数と詰めるべき玉の数の数の関係」が条件を満たすか、を「左の箱から確定する」ということを表す
      • これをRで書けば
N<-200 # 空間。1からN
Niter<-200 # 時間。1からNiter
M<-matrix(0,Niter,N) # 状態格納行列
InitPositiveMax<-N # 初期状態で1を取りうる最大番地
Npositive<-N*0.4 # 初期状態で1の個数
M[1,sample(1:InitPositiveMax,Npositive)]<-1 # 初期状態を適当に与える
for(i in 2:Niter){ # 時間進行
	for(j in 2:N){# t>=2のとき1番地は必ず0
		M[i,j]<-min(1-M[i-1,j],sum(M[i-1,1:(j-1)])-sum(M[i,1:(j-1)]))
	}
}
plot(apply(M[1:(Niter/2),(N/2+1):N],2,sum))
#image(M)
image(M[1:(Niter/2),(N/2+1):N],xlab="Time",ylab="Location",axes=FALSE)
axis(1,seq(from=2/Niter,to=1,by=2/Niter),1:(Niter/2))
axis(2,seq(from=2/N,to=1,by=2/N),(N/2+1):N)
    • 描図領域は、波がたくさん通る時空間(場所は後半、時間は前半)にした。軸の描き方こちらの調べものを参考にして入れてみる
    • さて。縦軸に空間。空間上の「ソリトン波」が横軸に沿って(時間)に沿って空間上(縦軸上)を移動していく様子がわかる
    • 幅の広い波ほど速い
    • さらにさて、な余談。
    • この白いものを下から上へたどっていく
    • 右肩上がりの白い線ができている
    • したがって、「同一地点しか観測できないが、時間に関しては『眺め渡す』ことができる生物(超高性能のタイムマシンを持っているが、『ど近眼』な生物)」にとっては、1度の観測で、この水平方向スライスの情報を得ることができて、1歩1歩空間を歩くことによって、次の地点(図では縦軸を進む)に関する情報スライスが手に入る)にとっては、「時間」に広がる波が「空間」を変化している、と観察される。
    • このように、時間内に存在する波の空間内移動の図と見ることもできる。
    • そうすると、この波は、どんな風に観察されるのだろう
    • すくなくとも、同じ空間では時刻が変わると0,1が交代するから、横軸の幅は最大1…
  • 箱玉の並び方は、ヤング図形(Wiki記事)としても表現できる
    • 玉がN個あって、玉を空き箱が区切っていると考える
    • 空き箱が1個以上連結しているときの玉の連の個数、空き箱が2個以上連結しているときの玉の連の個数、空き箱が3個以上…、空き箱が4個以上…としてやって、その空き箱連の長さごとの玉連の個数を並べると、その数列は非増加正整数列になる。それの図形表現がヤング図形
    • このヤング図形を表す非増加正整数列は箱玉系の保存量
  • 第4章 KP階層の理論
  • 第5章 離散KP方程式
  • 第6章 箱玉系と超離散KdV方程式
  • 第7章 箱玉系と超離散戸田方程式
  • 第8章 周期箱玉系
  • 第9章 可解格子模型と箱玉系
  • 第10章 一般化された箱玉系