トリソミーの疫学指標
- こちらで論文の勉強会があった
- Aneuploidyと発現との関連を扱った論文だった
- ヒトの個体レベルでのAneuploidyとしてトリソミーがある
- ヒトのトリソミーを含む遺伝子疾患については東京医大の沼部先生のサイト(こちら)が詳し
- トリソミーのうち頻度が高いものに21番染色体トリソミーであるダウン症がある
- ここでいう「頻度」というのは「生存して産まれてくる」トリソミーの中でこう割合を占める、という意味合いで考えることが多いように思うが、「生存して産まれてくる」という表現を気にし始めると、「死産」は、「流産」は、とかの扱いをどうするのか、ということも気になってくる。胎性致死のトリソミー(大きい染色体などの多数の染色体では胎性致死とされる)の「頻度」は高いのか低いのかも気になる
- では、公衆衛生・疫学的にこのあたりをどう扱っているのかを確認してみることにする
- こちらの論文(Twenty-year trends in the prevalence of Down syndrome and other trisomies in Europe: impact of maternal age and prenatal screening)での扱いをなぞってみよう
- そもそも流産・死産は医学定義と法的定義があって、国別の違いもあり(週数基準だったり体重基準だったりも違う→参照)
- 大きく2つに分ける
- Live birth(LB)
- Still birth
- Still birthの中には
- Late fetal death(FD):20週以降
- Termination of pregnancy for fetal anomaly (TOPFA): 週数によらず
- が含まれるようで、このどちらにも含まれないのは、「流産」とよく言われるものの大半が入る…という感じ
- Still birthの中には
- トリソミーの有無はLBとLate fetal death(FD)とTOPFAについて確認できるので
- トリソミーのprevalenceは
-
- ただしは第i番染色体のトリソミーを表す
-
- トリソミーのLive birth当たりprevalenceは
- その他の指標
- perinatal mortalityについては生後1週間以内の死亡を考慮する
- TOPFAの一部はFDの基準である20週に満たなかったかもしれない亜群を含むのでそれについての補正を入れた指標もある