“Next Generation” Sequencing (NGS) guidelines for somatic genetic variant detection

  • 2015年3月に出たガイドライン by ニューヨーク州 Departmen of Healthの抄訳(雑訳)
  • このガイドラインとは別に" molecular oncology guidelinesもあります。これはこれでNGSとは別に基準として用いる
  • SOP(Standard Operation Procedure)
    • サンプル調整・データ解析・その判断について全ステップを明記
    • 検出を確認するプロトコルの場合はその対象の選び方と確認法自体とについて明記
  • QC
    • Baseごとのクオリティ値はQ20かその同等指標以上
    • リード数。全標的領域(遺伝子ごと、とか)について均質かつある一定以上にカバーされていることを、実験全体として担保。標的ごとの最低デプスの平均が500以上であることは強く推奨される
    • リード数。各標的ごとに、そこに変異があると言うために必要な最低デプス基準がある。また、そこに変異がないと言うために必要な最低デプス基準もあり、二つのデプス基準は異なるかもしれない
    • 「変異あり」とコールするにあたっての、変異アレルリード数が全リード数に閉める割合に関する基準があること。その基準は、その検出の信頼性と感度との計算に基づいていて定義してあること
    • 順・逆間の違いの許容範囲について決めてあること(該当する方法の場合)
    • 試薬のロット変更による実験ぶれがあるので、すべての重要な試薬のロット変更について、感度に影響するぶれがないかを確認すること。その確認には、全標的領域のカバーの均質性と最低ラインのクリアについての確認も含む
    • QCに関する情報は経時的に記録
    • 実験機器ソフト・解析ソフトのバージョンアップは結果に変化を起こしうることを忘れず、バージョンアップにあたっては、それが影響を及ぼしていないかどうかを少なくとも3−5回分についてはバリアント検出結果に変化が出さないことを確認
  • コントロール
    • No Template Control(NTC)をすべての増幅を含むステップに置くこと
    • NGSの使用開始時、ならびに、その後もときどき、ネガコン実験をすること
    • ポジコンを毎回置くこと。検出感度について知るため。individually barcoded low positive DNA sample containing multiple known variants of each kindが推奨される。一つのポジコンでカバーするべきバリアントのタイプが網羅できないときは、複数のポジコンでカバーすることとし、その複数のポジコンを使い回すスケジュールを作ること
  • レポート
    • すべての検出された体細胞バリアントは、検出を目的としていたか否かに関わらず、またその臨床的意義について既知・未知を問わず報告すること。その臨床的意義についても説明すること
    • 生殖細胞系バリアントかもしれないバリアントについても、体細胞バリアントと区別して報告すること。その臨床的意義についても説明をつけること
    • 解析ですべてが見つかるわけではないことを報告書に書くこと。その解析の限界の中には、当該解析でうまくカバーできず感度が低かった領域がどこかも含める
  • バリデーション
    • バリアントごとに検出手法のパフォーマンスは違うので、それがどのような具合か(感度など)を明らかにし、それに基づいて、バリデーションすること
    • サンプルタイプ(FFPE(formalin fixed parafin embedded), FF(fresh frozen), WB(whole blood), BM(bone marrow), FNA(fine needle aspiration))ごとにパフォーマンスは違うので、それらごとのパフォーマンス評価をし、サンプルタイプによる結果の違いをシークエンス結果に反映すること
    • 基本的なパフォーマンスデータの提示
      • 既知サンプルの結果を用いたaccuracyの提示
      • 初期バリデーションには、最低50サンプルを用いて、ほかの実験方法との突き合わせをすること。同じNGSプラットフォームの結果と突き合わせるのであれば、他ラボのそれにすること
      • Full validation。検出されたバリアントのうち、検出しようとするものの場合にはバリアントごとに10サンプルについて別法で裏をとる
      • 臨床的意義不明なincidental findingsについては、その旨を明らかにした上でそのまま報告
      • 特定の領域の特定のバリアントについて一度バリデーションがすめば、毎回、確認を取る必要はない(NGS実験・解析全体のクオリティ維持をする機構が働いていれば安定しているとみなす)
      • 同一ラン内のPrecision:異なるバーコードをつけたポジコンのTriplicateで共通した結果が得られるかどうかで評価する
      • 異なるラン間のReproducibility(再現性):異なるバーコードをつけて異なる日に実施する3ランでポジコンを試して評価する
      • バリアントごとの感度評価をしておく
    • Bioinformatics的なバリデーション(バグチェックを含む)も実施する。バーコードの扱い、マルチプレックス処理の点などを含め
    • すべてのソフトウェアについて、一つのバージョンについては、単体としてパフォーマンスをチェックする