遺伝率
- 遺伝率は表現型の決定に占める遺伝要因の強さの指標であり
- 元来、量的表現型が血縁関係者間でどれくらい似ているかが、血縁者の遺伝的近さから推定される遺伝要因の共有具合に照らして算出された
- 最近のGWAS等によるリスク座位を網羅しようとするアプローチの下で、検出されたリスク座位の遺伝的効果の量が、血縁者間の表現型のにかより具合という意味での遺伝率のうちのどれくらいの割合を説明できるか、ということが話題となっている。そしてあまり説明できていないようだ、ということも話題となり、その説明の不足分をmissing heritabilityと称している
- また、遺伝率は分散と分散分解とに基づく指標であるので、量的表現型のそれは扱いやすいのだが、GWASなどが対象とする表現型は二値型のものが多いので、missing heritabilityも二値型表現型のそれについて議論されることが多い
- この辺りの話を少しまとめてみる
- 10年くらい前から、手法などが提示されている話題であって、最新の話題というわけではないけれど、
- 分散の分解、線形混合モデル、制限付き最尤法,通称REML(Restricted Maximum Likelihood)など、触れるべき話題も多く、それらは遺伝率・missing heritabilityに限らず有用な話なので、少しべたにまとめてみる
- なお、遺伝率は育種分野で重要な指標であり、その歴史的経緯も含め、こちらは非常によい。ただし、そこに出てくるいくつかの用語に慣れていないと、記事の良さがわからないかもしれないので、「難しい」と感じたならば、以下の「べた」なまとめで用語に慣れてから読むのがよいかもしれない。
- 以下の10個の記事に分けて記載しました
- 参考文書・サイト
- 遺伝率一般
- missing heritability概論
- GWASデータを使って遺伝率推定
- 一般化混合モデル
- こちらに解説記事
- こちらにRでのデータハンドリング例
- その基本構造と最尤法・制限付き最尤法(REML)
- その歴史的経緯などの鳥瞰図を得るにはこちら