第11章 命題計算 駆け足で読む『離散数学〜コンピュータサイエンスの基礎数学』
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- 第9章にて形式言語を扱った。文 statement は文字を連ねて書かれる。
- 文には基本的性質である真か偽か true or false があり、これを真理値 truth value という。
- 文は、真偽値を持つ副文 substatements を、結合子と呼ばれる規則で、複数合わせたものとなっている。このような文を複合文 compound statement という。このような文を複合的 composite という。
- 連言 conjunction
- は、副文p q とからなり、pとqの両方が真のときに真であり、それ以外の場合には、偽であるような文である。
- 選言 disjunction
- は、副文p q とからなり、pとqの両方が偽のときに偽であり、それ以外の場合には、真であるような文である。
- 排他的選言 exclusive disjunction
- pとqのどちらか片方が真のときには真となり、それ以外のときには偽であるような文である。
- 否定 negation
- は、pが真のときに偽、偽のときに真であるような文である。
- 命題
- 真偽値のある副文を結合子で結ぶ。副文を変数とすると、その真偽のパターンが、副文の数nについて、通りある。そのそれぞれについて、その文の真偽値は真か偽をとる。命題とは、このように、副文の真偽パターンに応じて定まる真偽値パターンを持つ文を命題という。
- 恒真命題 tautology と矛盾命題 contradiction
- 命題の真偽値が変数の値によらず必ず真のとき、その命題を恒真命題という。
- 逆に、変数の値によらず、真偽値が偽になる命題を矛盾命題という。
- 論理同値
- 命題2つあって、その構成変数が同一で、結合の仕方が異なるとする。この2つの命題の真偽値が、構成変数の真偽パターンのすべてについて一致するとき、この2命題は論理同値であるという。
- 命題代数
- 命題には次の規則が成り立つ(ただし、双対(とを交換した命題)を省略)
- べき等律 Idempotent law
- 結合律 Associative law
- 交換律 Commutative law
- 分配律 Distibutive law
- 同一率 Identity law
- 補元律 Complement law
- 対合律 Involution law
- ド・モルガンの法則 DeMorgan's law
- 命題には次の規則が成り立つ(ただし、双対(とを交換した命題)を省略)
- 条件文 conditional statement と重条件文 biconditional statement
- 論法 argument
- 論法は、(複数の)命題が与えられているときに、別の命題を生む、という主張である。与えられる命題を前提 premises と言い、生み出される命題を結論 conclusion といい、と書く。
- 論法は真偽値を持つ。論法が真であるのは、前提命題のすべてが真のときに結論が真となるときで、そうならないときにその論法は偽である。
- 真である論法は妥当 valid といわれ、偽である論法は誤り allacy といわれる。
- プログラミング問題なし