• Mutation in Folate Metabolism Causes Epigenetic Instability and Transgenerational Effects on Development
  • 葉酸代謝異常に伴う胎児発生異常のエピジェネティック効果が5代に渡って現れることを述べた論文
  • 母系のDNA配列によらない表現型への影響に関するもの
  • 以下の図は、隔世エピジェネティック遺伝を考えるための図
  • 9個の○が束ねられたものが個人
  • 左に祖父母世代の4個体、中央に父母世代の2個体、右に子世代の1個体
  • 祖母・母の性別をピンクの四角で表している
  • 個々の個人が持つ9個の○は
    • 受精卵
    • 受精卵の卵割が進んだ胚(ただし、また、生殖細胞系列・体細胞系列などへの方向性は未確定とする)
    • 生殖細胞系列と体細胞系列に分かれた後が3種類(体細胞系列は、将来的に胎生に関連する臓器組織かそうでないかで2分してある)
    • 個人は出生までを角をとった緑の四角で囲み、この四角の外側は出生後を表す
    • 生殖細胞系列から配偶子が生じている
  • 受精卵の構成には2つの配偶子が影響している
    • 受精卵へは、2つの配偶子のそれぞれが、DNA配列を渡すとともに、それ以外の何ものかを渡す
    • それ以外のなにものか、には、DNA分子以外のすべて(卵子の細胞質にあるもろもろや細胞膜)と、DNA分子の修飾状態などが含まれる
  • 受精卵から出生までは特に母親の胎生関連体細胞群(胎盤・子宮その他)の影響を受けるので、それを赤い→で表している
  • 理論的には父親からの影響もあるが、際立たせるために母親の胎生関連体細胞群からの影響のみを→にしている
  • いわゆるエピジェネティクスは、配偶子から受精卵への→の乗っている何かしらであって、DNA塩基配列以外のものを指す
  • 論文では、そのエピジェネティクスと、胎生関連体細胞群からの影響についても言及し、それをどのようにして実験的に弁別するかを論じている
  • 母系の隔世影響は、図では薄い大きな灰色の→で表しており、DNA塩基配列以外の伝達によって、世代を超えて結ぶことができる経路はすべて、母系隔世影響の源として考えることができる
  • この図を作ることで、現在、→が引かれていない部分とは何か、そして、そのような影響はないのか、ということが論じやすくなることにも注意したい
  • いわゆる非胎生関連体細胞群には、文明技術一般が入るので、性殖医療技術などは、この非胎生関連体細胞群に胎生関連細胞群・性殖細胞系列への影響の→を発生させていることに対応する(しかも2分岐木以外の→が発生)。また、環境に影響を与える動作をすることは、個体の出生後に対応するノード(角取り四角の外側の小○)への働きかけに相当する。