医学を一から作る
- 今年度もだいたい終わり
- 来年度の秋の京大ジュニアキャンパスのことを少し考え始めます。
- 来年度は『宇宙人の診察〜医学を作る〜』、か。
- 未知の対象に診療を求められたとき、何を調べどう判断するのか、ということの体系が医学なわけですが、『常識』がたくさんあり過ぎるため、「まずは常識を詰め込んでから」となってしまっています。
- 『知識としての常識』も『判断論理としての「手筋」』もその多くがマニュアル化し、それをすべて眺めるだけでも6年どころか100年かかる感じです。
- じゃあ原点に帰るためにはどうするか、というと、『常識ゼロ』『知識ゼロ』に立ち返ってみるのが一つの方法。そのための舞台設定が「宇宙人の診察」。
- そんな原点回帰を通じて、診察技術としての医療をつくるための学問である医学とは、何から成り立っているのか。それはどういう風に分類されているのか。それはどういう学問分野・精神・文化とつながっているのか。と、そんなことに思いを巡らしてみる時間とするのが目標です。
- その中に、ここ数日のJames-Stein推定のような味付けもしてみようかと思います。
- 実は『宇宙人の診察』は昨年度(?)の4回生に単発講義で実施したのだけれど、『知識をつめこんでから考える』というカリキュラムに3年間(もしくは20年間)、曝露されてきた学生さんにとって、『知らないところからスタートする』という発想にギアを変えるには90分(のイントロ時間)は短すぎ、大半の学生さんの瞳と頭上に『?』が浮遊している状況で90分が終わってしまいました。さらに、講義後のアンケートの評判も散々でした。ごく一部の意味が通じた学生さんを除いては…
- 失敗しても再挑戦、ということで、もっと若い中学生を相手にやりなおしてみたい
- なぜなら、それがある意味、「医学の総論の主幹」なので…
- ただし、ジュニアキャンパスに興味を持つ中学生さんは、「真面目」バイアスがかかっており、アンケートに答えてくれた大学生集団の中で言うと、かなり「役に立つことをわかりやすく教えてほしい」というオーラを出している学生さん〜『散々なコメントを書いた多数派の学生さん』〜的な割合が高い、という印象があるので心配はぬぐいきれないのですが…
- あくまでもそれはここ4年間くらいの印象なので、来年度のジュニアーズはそうではないかもしれませんし、ジュニアキャンパスの実施の背後には、「柔軟なジュニアーズ」に京大を目指すきっかけを与えたい、というのがあるわけで、再挑戦してみるだけの価値はあることでしょう。