Ka/Ks ratio



分子進化を考慮するにあたり、ある分子をコードしている遺伝子のコーディング領域に存在する変異・多型について、次の値を算出することで、その遺伝子のペプチド配列の保存性のよさ・ペプチド配列の保存の重要性の指標とする。

synonimous amino acid substitutions と non-synonymous amino acid substitutions の数の比をとる。塩基置換により、アミノ酸置換を起こす(non-synonymous)か、起こさない(synonymous)かは、コドンの何番目にあたるかや、対応アミノ酸に相当するコドンの種類数などにも影響されるので、その程度によって補正をして算出する。参照ページはこちら

SIFT



SIFT:Sorts Intolerant From Tolerant amino acid substitutions

アミノ酸置換が及ぼすペプチド機能への影響を予測し、指標化したもの。類似ペプチド配列を集め、それをアラインメントした後、当該ペプチド配列中の当該アミノ酸置換が、アラインメントされたペプチド鎖集合の中で、どのくらい稀であるかをもって指標とする。ペプチド配列中のアミノ酸が置換された場合に分子機能に及ぼす影響は、そのペプチドが所属する分子ファミリー中における、当該アミノ酸の保存のよさに依存するだろうという仮定に基づいている。アミノ酸置換がもたらすペプチド機能への影響評価には、高次構造予測を用いるタイプのものもあるが、SIFTの特徴は、1次元配列のみを用いる点である。

Pauline C. Ng and Steven Henikoffによる論文はこちらこちら

発表者による解説ホームページはこちら

PSIC



ペプチド上のあるアミノ酸の保存のよさを算出するときに、収集可能な類似配列を集め、それらに重み付けをしないで用いると、収集ペプチド配列のバイアス(研究の進んでいる配列とその関連配列群は多く収集され、そうでない配列は登録さえされていないので集まらない、など)が結果に影響する。PSICでは、このバイアスを避けるために、収集されたペプチド配列全体でのホモロジーを元に収集配列間の系統樹上の遠近関係を定め、その遠近関係を組み込んだ上で、当該アミノ酸の保存のよさの算出する

PSIC:Position-Specific Independent Counts

Sunyaev SR らによる指標の導入論文はこちら

PSICに基づく、1アミノ酸置換の影響度評価 PolyPhen の実行はこちら