形を決める。
平面図形を考える。平面に三角形を描く。同一の(合同の)三角形を描くためには、三辺の長さを決めるか、二辺の長さを決めて、その二辺の成す角の大きさを決めるか、一辺の長さとその両端の角度を決めるかすれば、一意に決まる。一意に決まる、ということは、その条件を満足し、そこから逸脱しない拘束をかけると、「変形しない」ということである。
四角形はどうだろうか。簡単な例では、長方形を4本の木切れで作ったとする。その木切れの長方形は簡単に平行四辺形にゆがんでしまう。なぜなら、長方形を作ったときの条件「4つの辺の長さを向かい合う二辺の長さが等しいように作る」は、平行四辺形の定義である「向かい合う二辺の長さが等しい」を含んでしまっているからである。
どうしたらいいかというと、四角形を作る際に対角線を1本引いて、2つの三角形を対角線で張り合わせたものとすればよい。2個の三角形は不動で、その三角形は一辺を共有しているので、平面上で不動である。
さて、立体、三次元。「不動」にしたい。長方形が対角線を固定しないとき、ゆがんでしまって平行四辺形になるように、直方体は、たとえ、4つの側面のそれぞれの対角線を固定したところで、ゆがんでしまう。ある側面に平行な方向にもゆがみうるし、側面方向とは関係なくゆがむこともある。それを阻止するには、立体における「対角線」を固定することだ。立体における対角線とは、東西南北の形の部屋ならば、北東の下の隅から、南西の上の隅への線などになる。
2次元(平面)と3次元(立体)の不動の条件は、次元数〜自由度などを使って、いくつの座標が定められるかという一般化した方法で説明できるはず。
ただし、Nは柱の本数、dは次元(この世の立体は3次元なのでd=3)、vは決めたい点の数、直方体なら、8頂点なのでv=8。
単純に、直方体をすべての柱が頂点から頂点に張られるとすると、。これは、6面すべてに一本ずつ対角線を引いた状態。
1本の柱の途中に頂点が作られるようなとき、柱の途中の頂点はvに含まれるが、この柱の両端の点と柱の途中の点とは、一直線上に並ぶという制約が入っているので、その制約分が自由度を減らすので、上式の計算で出した、Nのすべてを柱の本数と考えるわけにいかず、このNのうちの一部を「一直線上に並ぶ〜角度の制約を自由度として使用する」という事情が入ってくる・・・
式の意味は
『各点の座標は次元数の変数で決定される(』
『最初の点はどこにおいても、立体の相対的な位置関係が「不動」であるとの条件には問題がないので、その点の分は、d個のパラメタを必要とせず、0個のパラメタが必要』
『第2の点は、最初の点からの距離だけが制約になるので、1個のパラメタを消費する』
『第3の点は、2個のパラメタ』
…
『第iの点(ただし、は個のパラメタを消費する』
『第jの点(ただし、は個のパラメタを消費する』
したがって、
であるから、
家で言えば、直方体の辺を柱で作ったうえに、あと何本の筋交いを必要とするか、ということ。
筋交いについては、こちらも。
- 今、N個の点があり、その点のペアに距離が定まったとしとき、この点はいくつの次元の空間に不動に配置できるのだろう?
- これを解くと
- または
- 『N個の点の相対的位置は、ペアワイズ距離を与えることにより、N-1次元空間、もしくはN次元空間に一意に定まる』(?)