駆け足で読む『群と表現』補
- リー群・リー代数に関する記事から
- これ以上わかり易い説明はないかもしれないので、書き換えられません、少なくとも今は。
- 『リー群は様々な現象の対称性を記述するための道具』
- 『実数や複素数,行列は群の例であって,たとえば,R^nはベクトルの加法により可換群となり,行列は乗法のもとで非可換群をなします.n次の正方行列GL(n)の場合について述べると,GL(n)は行列の乗法のもとで群をなすわけであって,n次一般線形群と呼ばれます.』
- 『多様体の無限小近傍の線形近似(連続群)として考えられたものです.たとえば,絶対値1の複素数
exp(iθ)=cosθ+isinθ
は積を算法としてリー群(パラメータθを連続的に変化させることによって,無限に多くの要素を含んでいる群)となります.その意味で,Xを行列として
exp(iαX)
の形に書くことができるものがリー群なのです.』
- 『[X,Y]という演算を
[X,Y]=XY−YX
と定義し,交換子積(括弧積,ブラケット積)と呼びます.そして,2つの元の交換子積も元となるもの(交換子で閉じたもの)がリー代数です.』
[a,b]=a×b
をもつベクトル空間R^3はその例で,ベクトルの外積はSO(3)とSU(2)の両方に群に対応するリー代数』
- 『リー代数とは[,]と書かれる行列交換子が双線形乗法則
[aX+bY,Z]=a[X,Y]+b[Y,Z]
[X,aY+bZ]=a[X,Y]+b[X,Z]
という規則を満たすベクトル空間であって,GL(n,R)の場合はn^2次元のベクトル空間となります.また,リー代数では,3項の巡回置換に対して
[X,[Y,Z]]+[Y,[Z,X]]+[Z,[X,Y]]=0
が成立します.この美しい式は「ヤコビの恒等式」と呼ばれます.
リー代数の交換子積は群の非可換性を無限小において表すものと考えられるのですが,リー群と1対1に対応しそれによりリー群の大域的な構造をほとんど決定してしまうことになります.』