駆け足で読む『ウェットウェア〜単細胞は生きたコンピューターである〜』

ウェットウェア: 単細胞は生きたコンピューターである

ウェットウェア: 単細胞は生きたコンピューターである

  • 「細胞が自己についてどこまで知っているか」〜バーバラ・マクリントック(ノーベル賞受賞講演、1983)
  • はじめに
    • ウェットウェア
      • ハードウェアとソフトウェアの中間
      • 入力を処理して出力をする装置として生物・生命現象をとらえる
    • 誰のために本を書くか
      • 自分のために
      • 溜めこんだ知識を整理してあげる
  • 第1章 利口な細胞
    • 細胞の記憶
      • 生物の活動は「今」を感知して「次」を決めるとすれば、深度1のマルコフ連鎖
      • マルコフ連鎖の深度を深くすれば、それは「過去」の「記憶」を用いていることになる
      • では、「過去」の情報をどうやって利用するのか。
      • それが「記憶」の機構
    • 行動パターン
      • 入力に対して出力が決まっていれば「パターン」
      • 入力があって、出力があるものは「関数」
      • 「関数」が「多」変数を引数ととり、「関数」の中に「分岐処理」があることで「出力パターン」の複雑さはある程度構成できる→場合分け
      • 「関数」が入力値に対して、非線形な出力値を持てば、複雑な「出力パターン」ができる
      • 非線形な関数を入出力の観察データから求めることは線形な場合に比べて、難しいのは言うまでもない
  • 第2章 シミュレートされた生命
    • ゲーム上の疑似生物
    • コードで行動パターンを記載
    • 生命は「計算機」か
    • バーチャル・リアリティからわかること
    • 入力装置が拡張しても対応できる
    • 出力装置が拡張しても対応できる
  • 第3章 タンパク質のスイッチ
    • (単)細胞がもつ、計算機素子としてのスイッチ
    • 形を変えて、機能のオン・オフをするタンパク質〜アロステリックタンパク質
  • 第4章 タンパク質のシグナル
    • 分子修飾(リン酸化・メチル化など)
    • リガンドとレセプター
    • 素子としての性質
      • Boolスイッチ
      • ファジー論理
    • 細胞内の空間支配と伝達
  • 第5章 細胞の配線
  • タンパク質は入力に対して「反応」という出力を持つ
    • 出力は、理科の分類としては2通り?
      • 物理的反応(力学的なそれ、電磁気学的なそれ、も)
      • 化学的反応
      • 物理的であるか化学的であるかは、人間の学問上の分類であって、そのどちらであるか、それらの組み合わせであるかについては、「細胞」も「個体」も「気にはしない」だろう
    • 微分処理もできる
      • 「変化量」に応じて出力を決めるのであって、「絶対量」で決めるのではない
      • 生物学的には「順応」
      • 数学的には「微分
      • 情報的には、「深度のあるマルコフ連鎖
    • 多状態を感知・記憶・場合分け
      • 受容体に複数の就職状態
      • 受容体がクラスタ化することで、状態数は膨大
    • 拡散による伝達
      • 膜構造により堅く区画する
      • ゾルとして緩く区画する
      • 拡散を「硬軟」の区画で制御する
  • 第6章 ニューラルネットワーク
    • 神経細胞のネットワーク
    • その自己学習システム
    • 細胞内に神経系はないけれども、代わりにあるのは、分子が作る反応ネットワーク
    • ネットワークは頑健性をもたらす
      • 一部が壊れても対して変化しない
      • 大事な仕組みは複雑なネットワークで頑健度が上がっている(か?)
  • 第7章 細胞の意識
    • 粗大な現象と微細な(分子レベルの)現象はつながっている
      • 例えば呼吸
      • 呼吸はどれくらい粗大になると「意識」されるのか…分子のレベルでも「意識」に対応する何かがある。「意識」の定義を変えればよいだけ
  • 第8章 分子の変形
    • RNA・DNA
    • 配列の変化、進化、体細胞リアレンジメント
    • 配列と形と機能
  • 第9章 団結する細胞
    • 細胞間の情報交換
    • 自立する細胞
    • 結果として集団に「粗大な行動」が起きる
      • 周期性
      • 粘菌の行動
  • 第10章 遺伝子回路
    • 発現調節
    • 複雑系
    • 損傷に強いシステム
  • 第11章 ロボット
    • よくできたロボット
    • 何かを見落としている?
  • 第12章 生命の本質
    • 神経細胞のネットワーク
    • 細胞は動けないけれど、可塑性がある(大きい)
    • ダイナミックな入出力関数
  • 第13章 ふたたびアメーバについて
    • 周期的な環境変化が所与だと、その周期のどこにいるのかの情報を使うことは有利