SLE腎症は別扱い

  • "Derivation and Validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics Classification Criteria for Systemic Lupus Erythematosus"(こちら)
  • SLICC基準
    • 2つの基準がある
      • (1)クライテリア17項目によりSLEと分類するもの
      • (2)クライテリアによらずにSLEと分類するもの(腎炎)
    • (1)クライテリア17項目によるもの
      • クライテリア17項目は下記参照
      • 17項目は2分される
        • ■1 臨床クライテリア(11項目)
        • ■2 免疫学的クライテリア(6項目)
      • 1と2から1項目ずつ以上、計4項目以上
    • (2)腎生検を実施の上でSLEに合致するとみなされる腎炎があり、ANAもしくはds-DNA抗体が陽性であるもの
    • クライテリア(各項目の定義は論文Table 3を参照)
      • (1)臨床クライテリア
        • 1. Acute cutaneous lupus
        • 2. Chronic cutaneous lupus
        • 3. Oral ulcers
        • 4. Nonscarring alopecia
        • 5. Synovitis involving 2 or more joints
        • 6. Serositis
        • 7. Renal
        • 8. Neurologic
        • 9. Hemolytic anemia
        • 10. Leukopenia
        • 11. Thrombocytopenia
      • (2)免疫学的クライテリア
        • 1. ANA
        • 2. Anti-dsDNA antibody
        • 3. Anti-Sm
        • 4. Antiphospholipid antibody positivity
        • 5. Low complement
        • 6. Direct Coombs’ test in the absence of hemolytic anemia
  • 分類指針(原文)
    • The proposed classification rule is as follows:classify a patient as having SLE if he or she satisfies 4 of the clinical and immunologic criteria used in the SLICC classification criteria, including at least one clinical criterion and one immunologic criterion, OR if he or she has biopsy-proven nephritis compatible with SLE in the presence of ANAs or anti-dsDNA antibodies.
  • 論文内容
    • ■ 論文での手順
      • 1 SLE vs. SLEとの鑑別が問題になりそうな疾患の患者を2セット用意(702人、690人)
      • 2 「正しい診断」は次のように定める
        • 「a standardized short narrative な患者診療サマリー(米国のカルテの冒頭に来る「○才、性別、から始まり、主要なポジティブ・ネガティブの症候・所見・検査結果をある程度の時系列情報とともに書いた数行のことと思います)を基に、32人のリウマチ医がそれぞれ診断し、80%以上のリウマチ医がSLEと判断したら『真のSLE』とみなす
    • ● 第1患者セット(702人):分類木に使う項目の選定と、分類木の作成
      • 3 分類木解析に用いるべき項目は、20を超えているので、それの絞り込みをする。絞り込みに当たっては、20項目の組合せを40通りくらいロジスティック回帰で、試してみた。(ここの記載、ややあいまいです)
      • 4 ロジスティック回帰の結果(40通りある)とともに、「この項目は、分類木解析に載せなくては」というような項目を取り込ませるなどした。その選別は、スタディのconsensus review で行った。
      • 5 CART解析にかけた。
      • 6 CARTの結果、そのものは、臨床医の判断から納得しがたい点もあったようで、「話し合い」と「投票」で、選ぶべき項目リストを修正した
    • ● 第2患者セット(690人):できた分類木のバリデーション(分類木解析は再現性がないことがあるので、バリデーションが大切)
      • 7 「a standardized short narrative な患者診療サマリー」と免疫学的検査とを回覧して、SLEか否かの診断を仰ぎ、コンセンサスが得られるかどうかを持って、『真のSLE』か否かを判断した(第1セットのときと違って、担当者の意見の集約がうまくいかなかった雰囲気がメソッドから読み取れます)。
      • 8 第1セットを使って作った分類木にかけて診断した。
      • 9 複数の医者のコンセンサス(『真のSLE』)と分類木の診断結果を突き合わせた(kappa 統計量)
    • ● ACRクライテリアとSLICCクライテリアのパフォーマンスを比較した(論文のアブストラクトに記されている数値がこの比較の結果となります)。