積分(駆け足で読む統計学のための数学入門30講 8 9 10 12 13)


積分の公式のてふ表記

¥int x^{¥alpha}¥,dx=¥frac{1}{¥alpha+1}x^{¥alpha+1}+C

¥int e^x¥,dx=e^x+C

¥int a^x¥,dx=¥frac{1}{¥log{a}}a^x+C

¥int ¥frac{1}{x}¥,dx=¥log{|x|}+C

¥int ¥sin{x}¥,dx=-¥cos{x}+C

¥int ¥cos{x}¥,dx=¥sin{x}+C

¥int ¥frac{1}{sin^2{x}}¥,dx=¥tan{x}+C

¥int ¥frac{1}{¥sqrt{1-x^2}}¥,dx=¥sin^{-1}{x}+C

¥int ¥frac{1}{1+x^2}¥,dx=¥tan^{-1}{x}+C

  • 確率変数と確率密度関数積分
    • 確率変数とは、確率的に決まる値をとる変数のことである。確率変数のうち、連続的な値をとるものを連続型確率変数という。通常の2次元グラフでは横軸に確率変数の値を、縦軸に対応する確率をとったとき、連続型確率変数では、横軸について連続的な値をとるので、確率を表す曲線は連続である。
    • 確率変数xについてその確率密度関数f(x)で表されたとき、確率を表しているので、f(x)¥ge 0である、また、xのとりうる範囲(ここでは-¥infty ¥cdots ¥inftyとしよう、すべての確率変数は、とりうる範囲に制限があるかもしれないが、その場合にもこの定義は一般性を失っていない)について足し合わせるということは、確率の総和であるので、1になる。式で表せば¥int_{-¥infty}^[¥infty}f(x)¥,dx=1である。xがaからbまでを示す確率は¥int_{a}^{b}f(x)¥,dxである。また、累積分布関数とは、xのとりうる最小値からある値aまでの確率であり、¥int_{-¥infty}^{a}f(x)¥,dxと表される。
    • 確率密度関数の定義(下部面積の総和が1)から、式で表される諸関数分布をとる確率密度関数は、その-¥inftyから¥inftyの定積分で序した関数が確率密度関数となる
  • 期待値
    • 確率変数xの確率密度関数f(x)であるとき、期待値はE(x)=¥int_{-¥infty}^{¥infty}xf(x)¥,dxである。分散も、定義に帰って、積分を用いて計算すると、V(x)=E(x^2)-(E(x))^2になる
  • 数値積分
    • ある関数の定積分は、ある区間の面積を求めることであるが、関数によっては、¥int_{a}^{b}f(x)¥,dxが簡単に求められないこともある(不定積分が求められない)。一方、統計学である確率を知る(=確率密度関数区間の面積を知る)ことは必要であり、そのような場合には、近似値でもいいから計算してやることになる。期待値・分散・最小自乗誤差などを計算するにも、定積分を近似で求める必要が出る。区間の面積を近似する方法の1つが、台形の集まりとみなす「台形公式」、それより精度がよい「シンプソンの公式」もある。どちらを用いよ、と書いてくれていないが、おそらく、どちらでもよいのだろう(一定以上細かく区切る限り)。区間が無限な場合には、無視してよい小面積であることを確かめた上で、その部分を切り捨てて、有限区間を設定しなおし、近似する
  • 広義積分
    • 積分を求めるときに区間が無限のときには、有限区間の極限が存在するときに、それを無限区間の定積分の値をするとき、このような定積分を広義積分と呼ぶ。¥int_{a}^{¥infty}f(x)¥,dx=¥lim_{M¥to¥infty}¥int_{a}^{M}f(x)¥,dx
    • 積分を求めるにあたり、不定積分が求められず、数値計算で定積分を求めようとする場合(近似的な計算)で、区間が無限のときには、そもそも、その広義積分が存在していることを確かめてから計算することが必要である。したがって、広義積分があるかないかの判定方法が利用されることがある
    • 統計学では、無限区間の広義積分の存在を確かめることにより、次のようなことがいえる。自由度¥phiのカイ自乗分布はf(x)=¥frac{1}{¥Gamma(¥frac{¥phi}{2})2~{¥frac{¥phi}{2}}x^{¥frac{¥phi}{2}-1}e^{¥frac{-x}{2}}} (x>0)これは次項(『ガンマ関数とベータ関数』)でも述べるが、ガンマ関数分布G(¥frac{¥phi}{2},¥frac{1}{2})確率密度関数に同じである。¥frac{¥phi}{2}>0において、ガンマ分布には区間(0,¥infty)において広義積分が存在することから、すべての自然数である自由度¥phiについて積分が存在することがわかる。同様に正規分布に従うxの¥frac{1}{x}については、E(¥frac{1}{x}が存在しないが、それは、その広義積分が存在しないことからしめされる。同様にt分布において自由度1のときには、平均と分散が存在しないことを示すこともできて、t分布の場合で、平均が存在するのは、自由度が2以上のとき、分散が存在するのは3以上のときである。

[tex:\int x^{\alpha}\,dx=\frac{1}{\alpha+1}x^{\alpha+1}+C]
[tex:\int e^x\,dx=e^x+C]
[tex:\int a^x\,dx=\frac{1}{\log{a}}a^x+C]
[tex:\int \frac{1}{x}\,dx=\log{|x|}+C]
[tex:\int \sin{x}\,dx=-\cos{x}+C]
[tex:\int \cos{x}\,dx=\sin{x}+C]
[tex:\int \frac{1}{sin^2{x}}\,dx=\tan{x}+C]
[tex:\int \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}\,dx=\sin^{-1}{x}+C]
[tex:\int \frac{1}{1+x^2}\,dx=\tan^{-1}{x}+C]