楕円公式で表現する

  • 2x3表の周辺度数が取らせうるテーブルを2次元空間に配置する方法
    • 総サンプル数Nに対する割合として、標準化する
      • 群1(ケース)がp,群2(コントロール)がq=1-p
      • 3ディプロタイプの頻度が、m_1,m_2,m_3; a+b+c=1 とする
    • 期待テーブル{{pm_1,pm_2,pm_3},{qm_1,qm_2,qm_3}}を原点とする
    • 観測テーブル{{n11,n12,n13},{n21,n22,n23}}について、その期待度数との差を{{d11,d12,d13},{d21,d22,d23}}とする
    • 2次元直交座標において\{x,y\}=\{\frac{2}{\sqrt{3}}(\frac{1}{2}(d12+d13),d12\}と置くと、テーブルが、相互に120度ずつ回転した平行線に挟まれた領域に並ぶ。これは、上向きの正三角形と下向きの正三角形のオーバーラップとしても見える。この座標表現では、期待テーブルは、2つの正三角形の対応する2頂点を結んだ線の交点(1点で交わるように2つの正三角形が配置される)に存在する
  • 2次元配置における自由度2のカイ自乗統計量
    • 上述の座標配置にあるとする。このとき、カイ自乗統計量は次式であらわされる
      • \chi^2=\frac{N}{pq}(\sum_{i=1}^3 \frac{(x,e_i)^2}{m_i})
        • ただし、xは原点から上述の座標へのベクトルであり、
        • e_1=(cos(\frac{\pi}{2}-\frac{2}{3}\pi),sin(\frac{\pi}{2}-\frac{2}{3}\pi))
        • e_2=(cos(\frac{\pi}{2}),sin(\frac{\pi}{2}))
        • e_3=(cos(\frac{\pi}{2}+\frac{2}{3}\pi),sin(\frac{\pi}{2}+\frac{2}{3}\pi))
        • であり、(x,e)xeとの内積
    • このベクトルを用いた式は、座標を用いると次のようになる
      • \chi^2=N(\frac{3}{4}(\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})x^2+\frac{\sqrt{3}}{2}(-\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})xy+(\frac{1}{4}(\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})+\frac{1}{m_2})y^2)
      • カイ自乗値が等しいテーブルは、この式の(x,y)が満足し、それは、Ax^2+Bxy+Cy^2+Dx+Ey+F=0の形を取ることから、楕円である(こちらを参照)。
  • このカイ自乗統計量の作る楕円の形を考える
    • 相似形を無視すれば、\frac{3}{4}(\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})x^2+\frac{\sqrt{3}}{2}(-\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})xy+(\frac{1}{4}(\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})+\frac{1}{m_2})y^2=1なる楕円の形を知ればよい
    • 省略するがAx^2+Bxy+Cy^2=1の形の楕円は、その中心が原点であること
    • 楕円は平行移動と回転で、標準型[tex:\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1;0
    • \frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1\theta回転させた楕円は\frac{x cos\theta+y sin\theta)^2}{a^2}+\frac{(-x sin\theta +y cos\theta)^2}{b^2}=1と表される
    • Ax^2+B xy +C y^2=1との比較から、A=\frac{cos\theta ^2}{a^2}+\frac{sin \theta ^2}{b^2},B=2(\frac{1}{a^2}-\frac{1}{b^2})cos\theta sin \theta,C=\frac{sin\theta ^2}{a^2}+\frac{cos \theta ^2}{b^2}
    • 倍角公式sin 2 \theta=2 cos \theta sin \thetaを使ったりして、以下がわかる
      • \frac{1}{a^2}+\frac{1}{b^2}=A+C
      • \frac{1}{a^2}-\frac{1}{b^2}= \sqrt{B^2+(A-C)^2}]
      • sin 2 \theta = \frac{B}{\sqrt{B^2+(A-C)^2}}
    • 他方、次も言える
      • A+C=\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i}
      • B^2+(A-C)^2=\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i^2}-\prod_{i=1}^3\frac{1}{m_i}
    • それやこれやで
      • \frac{1}{a^2}=\frac{1}{2} (\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i} + \sqrt{\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i^2}-\prod_{i=1}^3\frac{1}{m_i}})
      • \frac{1}{b^2}=\frac{1}{2} (\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i}- \sqrt{\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i^2}-\prod_{i=1}^3\frac{1}{m_i}})
      • で定められる楕円を\theta=\frac{1}{2}asin(\frac{\frac{\sqrt{3}}{2}(-\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_3})}{\sqrt{\sum_{i=1}^3 \frac{1}{m_i^2}-\prod_{i=1}^3\frac{1}{m_i}}})だけ回転した楕円になるらしい・・・
  • Excelファイル