駆け足で読む『曲線とソリトン』その2

曲線とソリトン (開かれた数学)

曲線とソリトン (開かれた数学)

  • 7. 進行波解の定める曲線
    • 曲線は曲率で決まる
    • 取り扱いやすい曲線は曲率の微分可能性に制限がある
    • 曲線は時間発展させられる
    • 曲率がそれに連れて時間発展する
    • 曲率の時間発展はmKdV方程式に従う〜曲率はmKdV方程式の解である
    • mKdV方程式のうち、特殊なものにソリトン解や代数的ソリトン解がある
    • mKdV方程式の特殊条件を緩めたものに楕円函数を用いたcn波解やdn波解がある
    • mKdV方程式の解は平面幾何で言えば曲率であり、曲率は曲線を(一意に)定めるから、mKdVの解であるソリトン解・代数的ソリトン解・cn解・dn解に対応する曲線があり、それを幾何的に表現・解釈することができる

http://www.genome.med.kyoto-u.ac.jp/StatGenet/lectures/2010/cndnWave.mp4

    • 以下がこの動画を描いたRソース
      • ellipticパッケージには複素積分用の関数が用意されている
      • myintegrate()は実部に関する積分関数
      • 関数と積分範囲を与える
      • 楕円函数の第1種、第2種完全積分とか、以下で定義しているmyf():ヤコビのイプシロン関数(これはdnの2乗の積分)とかを計算してくれる
      • 教科書のkの与え方とそれに対応する図(p55,p57)と、以下のソースのkの値の与え方と描かれる絵に対応が取れていないので要注意
      • dn波の場合には教科書のkをk^2/2と読み替えるとだいたいよさそう
      • cn波の場合には教科書のkをk^2と読み替えるとだいたいよさそう
      • k=0.9089...もしくはその二乗はオイラーの8の字を与える
本の著者の井ノ口先生より、Mathematicaをはじめとする数理ソフトでは"楕円関数の母数が「数学・物理での定義」と異なりk^2を用いた入力に
なっていますので、k^2と読み替えれば正しいです"とのコメントをいただいたので"k^2"と思って図を描けばよいようです。
---ありがとうございました。
myE<-function(t,m){
	myf<-function(x){
		dn(x,m)^2
	}
	ret<-rep(0,length(t))
	for(i in 1:length(ret)){
		ret[i]<-myintegrate(myf,0,t[i])
	}
	ret
}


myu<-seq(from=-20,to=20,by=0.2)
xlim<-c(-10,10)
ylim<-c(0,20)
filecounter<-1001
filenameRoot="dncn"
filenameFoot=".png"

#ks<-1/2^(1/(seq(from=0.5,to=10,by=0.5)))
ks<-seq(from=0.1,to=0.9,by=0.1)

ks<-c(1/2,1/sqrt(2),0.9,0.75,0.8535,0.95,0.9089)
ks<-c(0.05,ks^2/2,ks^2,0.95)
ks<-sort(ks)
# dn波解
for(i in 1:length(ks)){
	k<-ks[i]
	a<-1/sqrt(1-k^2)
	b<-1
	x<-myu-4*a/(sqrt(a^2-b^2))*(a*myu/2-Re(myE(a*myu/2,k)))
	y<--4*a/(sqrt(a^2-b^2))*(dn(a*myu/2,k)-1)
	filename<-paste(filenameRoot,filecounter,filenameFoot)
	png(filename)
	maintitle=paste("dn_k=",k,"_sqrt(k)=",k^0.5,"_sqrt(2k)=",sqrt(2*k))
	plot(x,y,type="l",xlim=xlim,ylim=ylim,main=maintitle)
	dev.off()
	filecounter<-filecounter+1
}


# cn波解
for(i in 1:length(ks)){
	k<-ks[i]
	a<-sqrt(1/k^2-1)
	b<-1
	x<--myu + 4/sqrt(a^2+b^2)*Re(myE(sqrt(a^2+b^2)/2*myu,k))
	y<--4*k/sqrt(a^2+b^2)*(cn(sqrt(a^2+b^2)/2*myu,k)-1)
	filename<-paste(filenameRoot,filecounter,filenameFoot)
	png(filename)
	maintitle=paste("cn_k=",k,"_sqrt(k)=",k^0.5,"_sqrt(2k)=",sqrt(2*k))
	plot(x,y,type="l",xlim=xlim,ylim=ylim,main=maintitle)
	dev.off()
	filecounter<-filecounter+1
}
  • 8. ベックルンド変換
    • ベックルンド変換によってできるポテンシャルmKdV方程式
    • 解は非線形で(なのに)重ね合わせられる
    • mKdV方程式に従う時間発展をする曲率の曲線の角函数はポテンシャルmKdV方程式の解になっている
  • 9. ダルブー変換
    • 非線形波動を対象にKdV,mKdV方程式を扱っている中で、ポテンシャルとも関係する形で見つけられたのがダルブー変換
    • 解の多重性と関係する
  • 10. 広田の方法
  • 11. いろいろな幾何学
    • 群作用
      • 幾何において距離函数を定めると距離を変えないことに対応する「合同」が決まって、それは合同変換群を構成する。
      • 原点が変わらない合同変換群では、ベクトルの内積が保たれる。

回転も。

      • こちらで、ムーア近傍に距離定義を書いている
      • ということは、この距離定義を用いれば、2次元立方格子上の形状維持移動である、ライフゲームの『グライダー』(こちら)には合同変換群に属する行列が書けることになる(だろうか)
    • クライン幾何
      • 集合Xと群Gがあって、\rho:G \times X \to Gなる\rhoは推移的群作用だが、この\rhoの性質を調べることをクライン幾何と言う。『Gを変換群としXを表現空間とするクライン幾何』と。
      • ユークリッド幾何は\rhoが合同変換のとき(距離不変。点・直線・角・距離・面積が不変)
      • 相似幾何は\rhoが相似変換のとき(距離定数倍。点・直線・角が不変、距離・面積は変化する)
      • 等積幾何は\rhoが等積変換のとき(面積不変。(点・直線)・面積が不変、角は不変ではない)
      • アフィン幾何は\rhoがアフィン変換のとき。アフィン変換は等積変換の拡張されたものともいえるが、点・直線が不変、距離・角度・面積は不変ではない)
  • 12. 等積幾何
    • 注意!本当かどうか不案内なままに、とりあえずメモし始めるので、以降の記述は(ほかの部分に増して)正誤に関して留意が必要!…たぶん大まかには大丈夫…
    • ユークリッド幾何での曲線
      • 曲線は曲率で決まり、同一の曲率を持つ曲線は重ね合わせられる、という話があった
      • これは、ユークリッド幾何(距離不変なクライン幾何)での合同が曲率の一致と同じであったことを意味している
      • 弧長径数が不変にできた
    • 等積幾何での曲線
      • ユークリッド幾何を等積幾何に置き換えてやる
      • 弧長径数に変わる不変量を導入する→等積アフィン径数
      • 曲率に変わる、曲線の合同に関する函数を導入する→等積アフィン曲率
      • フレネ標構→等積アフィン標構
      • ユークリッド幾何での円は、曲率一定→等積アフィン曲率が一定な曲線は二次曲線
      • 超幾何関数やガンマ関数が等積アフィン曲率に一定のルールを入れた場合の曲線に相当する
      • ユークリッド幾何で曲線の時間発展を見るときには、「等周条件(長さ不変、か)」があった→等積幾何では等積条件が必要
      • 等積幾何における曲線の時間発展はからmKdV方程式のようなものが出てきて、そこには、ソリトン解のようなものが存在する
  • 13. 相似幾何
    • 相似不変な径数は角函数(等積幾何の時と違って、ユークリッド幾何ですでに使っていたもの(そのときは変動していた)が不変径数となっている)
    • 相似フレネ標構
    • 相似曲率
    • 相似的等周条件
    • mKdV方程式のようなもの→セル・オートマトン化して超離散な方程式へ→渋滞学
    • 拡散方程式・熱伝導方程式へも
    • 正規分布型の式へ
  • 14. メビウス幾何
    • 相似幾何の拡張
    • 角度を変えない(共形)。有向角を変えない(等角)。
    • 共形変換に相似変換は含まれる
    • 曲線が乗っているR^2平面を複素平面と見立てると、この幾何はうまくいく点がある
    • 複素面だから、リーマン面とかが登場する
  • A. 展望 可積分幾何へ向けて
    • 曲線の微分位相幾何
    • 曲面のベックルンド変換
    • 差分幾何