定義とモデル
- こちらで老化とサバイバルカーブの話をしている
- 老化の定義は難しそうなので、必要条件からまず考えよう
- 時間に伴う個人の変化の分類、3軸
- 「個人の何が」変化するか
- 「いつ」変化するか
- 「いかに」変化するか
- 「個人の何が」の軸
- 個人の属性は何でもよさそうだ
- 「いつ」の軸
- 日常用語的には、「大人になった後」の変化のように思われるが、それでは、定義が甘くなるので、これは考えどころ
- 排除するべき時期を特定する理由がないので、受精から死までのいつでもよいとしておくのが無難
- 「いかに」の軸
- 日常用語的には「低下」することを指しそうだが、これも注意が必要だ。「しわの本数の増加」も「老化」の一部だが、「増加」している。「死亡率」も「上昇」している
- 個人の受精から死までの期間で、ある属性に値が与えられたときに、そのグラフの傾向が、ある時点より前と後とで異なること、ということか(値、と書いたが、スカラー量である必要もないはず)
- これに当てはまらないのは、受精から死まで、完全に一定である属性と、まったくランダムである属性と、周期的である属性は、あてはまらない
- 逆に当てはまるのは、それ以外
- このように考えると、ある属性の値が、成人期にピークに達して、しばらくプラトーであったのちに、減少トレンドになる、というような変化は老化現象の一つ
- 極論すれば、受精してから、常に一定速度で変化するものも、老化現象の一つと言ってもよさそうだ
- 老化は、このような定義に合致する個々の現象の総体を指すこともあるだろうし、その部分集合を指すこともあるだろう
- 老化に「好ましくなくなること」という「価値判断」をつければ、それに合致する現象のみを該当する、という条件付き老化、と考えてもよい
- モデル
- さて、老化を研究するときには、動物モデルやシミュレーションモデルが必要になることがあるだろう
- そのときに、「時間変化」とその「総体」とを完璧に模すことはできない
- では、「せめてこれだけは」思ったような時間変化をさせたい、と思うことはあるだろう
- こちらの記事の「死亡率」の上昇は、そのように「せめてこれだけは」の指標なのだろう