ぱらぱらめくる『熱力学の数理』
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- 熱力学は温度を持った物理学的系が起こす現象を記載する形式である
- 統計力学の立場から、多数の要素が取りうる状態の多寡と乱雑度とを使って説明されることもある
- 本書は、そうではなく、巨視的熱力学現象を数学的に表すにあたり、何の存在を仮定し、それらにどのようなルールを入れると良いか、という話をしている
- 全順序、順序、preordered set、という順序に関する概念のうち、preordered setというものが出てくる
- このpreordered setはposetが満たす3ルールのうちの一つを欠いたものになっている
- 簡単にいうと、同等と、大小との関係が成り立つ集合のこと
- 熱力学の系を説明するにあたり、系は複数あり、それには温度という、preordered setでの関係を決めるパラメタが存在し、それによって、系がある状態をとっている時、それは、別の系がある状態をとっている時と比べて、関係が定まる、という話
- それにより、熱力学では、全ての系、全ての状態を納めたpreordered set 空間があり、それが滑らか(微分可能)な多様体となっている、と説明する
- それを考えていくと、熱力学では、仕事と温度変化との間に関係があるのでそれを説明する必要が出てくる
- 仕事は、圧と体積とで定義される。それと交換できるものは、温度と何かとで定義されるべきである
- この時、温度とペアとなるものとして、エントロピーと名付けるものが存在するものとすると、話がうまくいく
- preordered setで関係を定める必要のために温度(絶対温度)が登場し、仕事と状態変化・温度変化とを結びつけるために、(物理的に存在が明らかな)体積と対等な立場だが、認識しにくい「エントロピー」という物理的存在を、認めよう、という話
- これで、ぱらぱらめくりは終わりにしよう
- このぱらぱらめくりによって、何を学んだのだろう?
- 現象がある
- 説明する仕組みを構築することは良いことだ
- 現象に見えていたものだけでは、説明する仕組みが不足した
- 不足したものが存在するものとしよう
- と、こういう筋がある、と
- 「形」は「位相」と「長さ」と「角度」、「曲線」などからなる
- 「形集合」が何かしらの順序構造を作っており、多様体をなしているとする。形を滑らかに変形することができる、という意味で。
- 順序構造を成り立たせるためには、「温度」が必要
- 長さとか角度とか曲線のような、(3次元的な)物理存在は、知っている
- 何かを知らないから、うまく話が進まないとする
- その知らないものは「エントロピー」のようなもの。。。「形のエントロピー〜形の複雑さ+対称性」。。。多分