生物の作る社会〜ぱらぱらめくる『今こそマルクスを読み返す』
- 作者: 廣松渉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/06/12
- メディア: 新書
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- この本が書評(こちら)で扱われていた。この本は第1刷が1990年だから、「マルクスを読み返す」という1990年の本を「さらに読み返す」というスタンスになるだろうか
- 共産主義革命があって、ソ連・東欧の崩壊があって、そして、今、となると、人々の考え方の底流の1つという「古典」であって、政治的にどうこう、という立場で読むものではないだろう。特に、医学・遺伝学を専門にしていれば
- 1990年にこの本を読んだか、と言えば、「ソ連・東欧の崩壊」の頃であって、大学にはまだ「政治的色がなくはない」という頃だから、読んでいない
- では、どうして、今「『読み返す』を読みかえす、ではなく、読む」のか、と言えば、生物学に、ネットワークとか、群衆知とか、社会をどうとらえるか、という視点の色が濃くなっているから。生物を成り立たせている反応系は経済活動のようにとらえることも多いから。また、そんな風に生物・生態系を捉えようとしているときに、自分の考えは、「古典」に直接・間接的にどういう影響を受けているのか、というところにもやもやしたものがあるから
- 原著とその解釈諸派によるごちゃごちゃという歴史
- 「人間とは何か」「社会とは何か」
- 「生産活動」「経済」:生物の生きるという活動
- 「相互作用」:生態系
- 「人間対自然」:開放系と熱力学法則、エントロピー
- 「意思」「計画」「集権的」:個体・個々のピースの守るルールとその指令形体
- 「社会階層・ヒエラルキー」と「その相互作用」:いろいろなところにヒエラルキーがあって、その相互作用があるのは、生物の仕組みの理解にもそこらじゅうで使っている理解方法。生物の仕組み自体もヒエラルキーを使っている
- 「社会が持つ意識」:集団が決定する仕組み
- 「利益共同態(著作のまま)」:全体の利益、個別の利益
- 「歴史観」:作り上げたものは以降に影響を与える(歴史はべき乗則で動く)
- 「物象化」:相互関係の描写
- 「使用価値と価値」:生物の活動にとっての価値とは
- 「経済的搾取」:搾取と自己犠牲…
- 「投資」:生物も投資する