私のための量子力学メモ3 自分の躓きを整理する

  • こちらこちら量子力学のことをメモしている。その続き
  • ハミルトニアンエネルギー保存の法則、運動量・位置座標、最小作用の法則、運動方程式
    • エネルギーは運動エネルギーと位置エネルギーの和
    • ハミルトニアンはエネルギーを表したものに相当
    • 状態Xから状態Yへの変化には経路があるが、その経路は「最小作用の法則」で決まるものになっている(自然がそう決めている)→こちら(最小作用の原理はどこからくるか?)
    • そうするとH=\frac{p^2}{2m} + \frac{mw^2q^2}{2}というハミルトニアンと、\frac{dp}{dt} = -\frac{\partial H}{\partial q},\frac{dq}{dt}=\frac{\partial H}{\partial p}が成り立っていることになる
    • これが「自然の決まり」で、「運動方程式
    • 古典力学では、これが「位置座標と運動量・速度」という状態空間の軌道を定める
    • 量子力学では、いろいろな状態のどこにどれくらいありそうか、という状態についての重み付きベクトルを定める
  • 量子力学での3つのもの
    • 状態、物理量、観測値
  • 量子力学での状態とブラケットベクトル
    • 量子力学では、たくさんの可能な状態(離散的な状態がたくさん(無限個))あったり、連続的な状態だったらそもそも無限通りの状態があるときに、そのとりえる状態に関する確率質量分布・確率密度分布的に状態を記述する
    • その状態ベクトルを関数で表すと、複素関数になるが、個々の確率質量・確率密度は、複素数値の絶対値の二乗にすることで「確率〜実数」扱いしたいので、複素ベクトルであるケット|\psi>とその複素共役ベクトルであるブラ<\psi^*|との内積<\psi^*|\psi>として確率とする。ベクトルだけれど無限次元(であることが普通)
  • 量子力学での物理量と演算子
    • 座標と運動量があれば、どちらも物理量。ある状態について座標もあれば運動量もある。状態はベクトルになっているから、それを使って座標や運動量などの物理量を「知ろう」とすることができ、それは<\psi^* A \psi>的な計算に「相当する」。この計算はベクトルx行列xベクトルで、計算結果はスカラー値になってしまうのだけれど、このスカラー値が物理量ではなくて、このスカラー値は「その物理量を観測したとしたときの期待値」が出てくるだけ。あくまでも、物理量というのはAを使って計算することに相当するよ、という意味で、「物理量は演算子」〜「物理量は演算子として定義できる」と表現する
  • 量子力学での観測値
    • 実際に観測すると、取りうる値のうちの1つが得られる。取りうる状態には確率がついており、その確率に応じて選ばれる状態に対応する物理量が観測されることとなる
    • 取りうる状態のそれぞれを「固有ベクトル」とすると、それに対する「固有値」が対応するので、観測値はある固有状態に対する固有値となる、とも表現する
  • 系の時間発展、シュレーディンガー方程式、波動関数、指数関数(三角関数複素関数)が出ること
  • 状態が離散的になること〜調和振動子を例に〜
    • こちらを読む
    • ぱぱっとは解けないので、解きにくくしている項が無視できる条件での解を作り、その後で、つじつまが合うように工夫する
    • さらに、級数展開的に取扱い、発散しないよう、一定項数以降がゼロにできるような工夫、そのうえでさらに発散を防ぐための初期項設定をすることで、解が自然数添え字つきの無限関数列として得られる
    • その個々の解についてエネルギーを確認すると離散化している
  • 状態移行を表す行列
    • ベクトルで表された状態を推移させる行列は状態推移行列
    • 調和振動子ではエネルギー状態を一つ上、一つ下にそれぞれ変えることに相当する行列があり、ladder operatorと呼ばれる
  • 演算子〜物理量〜を行列で表す
    • 調和振動子のエネルギー状態は、1/2,3/2,5/2,...に比例した値となるが、それに対応する行列は対角成分がその値であるような行列であって、対角成分のみのものとなる
    • この演算子状態ベクトルに作用させれば、エネルギーの期待値がスカラー値として出ることはすぐわかる
    • エネルギー(ハミルトニアン)は運動量と座標でできていたが、運動量、座標それぞれが物理量でそれに対応する演算子〜行列もあって、それは、対角成分がない対角より一つ上と一つ下の斜め成分のみがあるような行列である(こちら)
    • 座標と運動量とが作るエネルギー項はどちらも座標・運動量の二乗の項だが、それに相当する演算子〜行列もある
    • それを状態に作用させると、ハミルトニアンを作用させたときの半分がどちらからも得られるが、それは「期待値としてのエネルギーは、期待値としての運動エネルギーと期待値としての位置エネルギーとの和であって、運動と位置とのどちらが多いかは情報がないので、等分されている」という意味合いになる(こちらも)