ぱらぱらめくる『量子確率論への招待』
http://www.math.is.tohoku.ac.jp/~obata/research/file/1996-Nagoya-Forum.pdf
- 測度論的確率論は
- 量子論的確率論はC*-確率空間で、Aが可換環なら古典論、Aが非可換環なら量子論
- 確率分布はモーメント列で(だいたい)決まる
- 量子確率論ではグラフを考える。グラフの頂点は群の集合の要素。グラフの「辺による移動」も群の集合の要素。ある頂点からある辺によって移動して別の頂点にたどり着くことは、群の二項演算によって表せるから、グラフ構造は群の幾何的構造と見える
- 各頂点に、「辺に相当する要素」を掛けて、(いくつかの)隣接頂点に移動することを考える。これをすべての頂点における「量子確率状態」の「確率推移」とみなすと、「辺に相当する要素」について、特定の1つの移動ではなくて、可能なあらゆる移動をすることを考えると、それは量子状態の言葉でいうと、ユニタリ作用
- したがって、グラフ上の確率的な移動の全体(酔歩)の様相は量子確率ベクトルとユニタリ作用素で定義できる
- 今、ある頂点を原点とすると、「n次モーメント」は原点からn歩で原点に戻る道の数に比例することが示せる
- その考えで行くと、格子グラフ(可換群)の場合のモーメント列の極限が、古典的な正規分布のモーメント列と一致する。また、k-分岐木(自由群)のモーメント列の極限は、量子確率論でよく出てくる半円分布のモーメント列と一致する
- この原点に戻って来る道の数え上げにあたって、自由群の場合にカタラン数が出てくるが、それを考えるときに、k本の一時独立なベクトルに関して、順方向と逆方向のそれが同じ回数ずつ現れること、その現れ方に非交叉対分割制約があることを使うことなどが登場する
- 気になったこと。閉じたグラフの辺ベクトルの制約にこの非交叉対分割があらわれるべきことと、戻って来る道の数とグラフのゼータ関数には関係があることの2つ。