Universal ancestor,Most recent common ancestorとidentical ancestors point



  • Most recent common ancestor
  • Universal ancestor
  • ヒトの現時点の個体集合は、過去に存在した祖先の子孫である。祖先の数は、増えていく(父母より祖父母、祖父母より曽祖父母の数が多い)。逆に言うと、ある世代のある個体は、現時点の個体集合の多くにDNAの一部を伝達している。ある世代の個体の中には、現時点の個体のすべてにいくばくかのDNAを伝達しているものが出現することもありえる。このように現時点のすべての個体にDNAを伝達している個体のことをuniversal ancestorと称する。このような個体のうち、もっとも現時点に近いものを、"Most recent common ancestor"と称している
  • 家系図としての祖先・子孫関係とDNAの部分配列を共有している関係かどうかは別であることに注意
    • Universal ancestorは1人ではなく、複数人いるが、最も現時点に近い(若い)それをMost recent common ancestorとする
  • identical ancestors point
    • 個体のDNAの伝達関係を遡るとある時点において、そのときの個体は次の2群に分けられるようになる。第1群は、現時点のすべての個体の祖先となっている個体(universal ancestor)の群であり、第2群は、現時点の個体のいずれの個体の祖先にもなっていない個体の群である
      • Most recent common ancestorの世代よりも遡ると、現時点の個体すべての祖先となっている個体が複数存在するようになる。この時点では、個体は、現時点のすべての個体の祖先となっているものと、現時点の一部の個体の祖先となっているものと、現時点の個体のいずれの祖先にもなっていないものとの3群に分かれる。さらに世代を遡ると3群のうちの1群(現時点の個体の一部の個体の祖先であり、かつ、現時点の個体の残りの個体の祖先ではない)が消滅する。この消滅時点を、identical ancestors pointと称する
    • Identical ancestors pointである時点においては、すべての個体は現時点のすべての個体の祖先となっている。ただし、DNAのコピーの継承関係にあるとは限らない。あるidentical ancestors pointの個体はuniversal ancestorにDNA部分を伝達しており、そのuniversal ancestorから現時点の個体はDNA部分を継承しているが、そのDNA部分が必ずしも一致しないためである