Fixation index F(Population subdivisionにおける)



    • 次の仮説に基づく、Fixationの指標(subdivisionの指標とも言える)
      • ランダムメイティング集団ではHWEが成り立っている。Subdivisionが起きると、Subdivided亜集団内ではHWEが成り立つが、遺伝的浮動のため、亜集団のアレル頻度に差が生じる。極端な場合には、片やアレル頻度1、片やアレル頻度0となる。この1 vs. 0の状態を"Fixed"とみなし、Subdivision前のHWE状態に0となり、Fixedな状態で1となる指標がFixation indexである。Fixation indexの算出にあたっては、標本Heterozygosity(H_o)と標本アレル頻度から計算したHWE仮定におけるHeterozygosity(H_e)を用いて、F=1-¥frac{H_o}{H_e}と表せる。
    • Fixation indexと共分散(従属関係を表す項)の関係
      • 今、標本Heterozygosity H_o、アレル頻度 p としたとき、AA個体の比率はp-¥frac{H_o}{2}、aa個体の比率は(1-p)-¥frac{H_o}{2}、Aa個体の比率はH_oである。HWE検定の項で、subdivisionが存在するときに成立することを示した式Pr(Aa)=Pr(A) ¥times Pr(a) - ¥alphaを同様にAAについて書き換えるとPr(AA)=Pr(A) ¥times Pr(A) + ¥betaとなる。HomozygosityはHWE仮定より大きくなるので + ¥betaとしてある。
      • 今、ANOVAへのイントロとして、ある指標yを導入する。yは、アレルAを持つときに1、アレルaを持つときに0を与えることとし、2つのアレルを取り上げたときには、y_1 y_2として、AAのときに1、それ以外のときには0となるような指標であるものとする。E(y)=p ¥times 1 + (1-p) ¥times 0(1つを取り出すときにAをうる確率はpで、そのときポイント1を取得し、aをうる確率は1-pで、そのときはポイント0を獲得するから)のように、指標yの期待値E(y)=pである。また、y^2の期待値E(y^2)は、when y=1, y^2=1  when y=0  y^2=0であることに注意するとE(y^2)=Pr(y=1) ¥times 1 + Pr(y=0) ¥times 0 = pである。今、2つの染色体を取り出すときに、第1アレルの取り出しと第2アレルの取り出しが互いに独立であるとき、y_1=1,y_2=1y_1 ¥times y_2 =1となる確率はp^2 + ¥beta ただし ¥beta=0 であるけれど、第1アレルと第2アレルとが独立でないとき(subdivisionが存在するとき)には、¥beta ¥not = 0である
      • 再掲するが、E(y_1)=p,E(y_2)=p,E(y_1^2)=p,E(y_2^2)=pである。また、var(y_i)=E(y_i^2)-(E(y_i))^2=p-p^2=p(1-p)である。
      • 実は、上述の2因子の従属関係を示す指標は共分散であり、¥beta=cov(y_1.y_2)と書き表すのが通例である。また、相関係数¥rho_{y_1 y_2}=¥frac{cov(y_1,y_2)}{¥sqrt{(var(y_1)var(y_2)}}なる関係がある。
      • 今、Fixation indexを式変形すると、F=1-¥frac{H_o}{H_e}=1-¥frac{H_o}{2p(1-p)}=¥frac{cov(y_1,y_2)}{¥sqrt{(var(y_1)var(y_2)}}=¥rhoなる関係にあることがわかる