座標の取り方
3次元空間中に2つの面を定める。今、この3次元空間のあるベクトルを基準として、それと角をなすベクトルを法線ベクトルとし、この3次元空間の原点を通る平面 上の点はとの2ベクトルの線形和として表される。の内積はいずれも0であり、そのノルムはそれぞれ1である。
今、このような面に三角形を置く。三角形の頂点は、原点から、の3方向にあり、それぞれ、原点からの距離が、にあるものとする。この3方向のベクトルは、それぞれ,,として与えられる。
今、空間上に2つの面を置き、それぞれの面に1個ずつの三角形を,の距離に頂点があるものとして置く。2つの三角形の相対的位置関係を問題とすることとする。片方の三角形の置かれた面は、ある特定の面を選んでも一般性を失わないから、この三角形は、にあるものとし、また、この面上の3ベクトルの位置も、特定のそれを選んでも一般性を失わないから、そのようにすることとする。と置けて、
となり、3点は
,,
もう片方の三角形は、,と置けて、
となり、3点は
,,
となる。
今、このようにしておかれた、3角形の頂点間に絡まることのないゴム紐が張られるものとする。片方の3角形の各頂点からもう片方の3角形の各頂点に紐を張るので、9本の紐が張られる。紐は強さがことなり、片方の三角形の第番目の頂点ともう片方の三角形の第番目の頂点を結ぶ紐の強さがとして与えられるものとする。三角形は、この紐の力によって、互いの位置が定まる。ただし、その定まり方は、距離の自乗x強さの総和が最小になるような状態を安定とする。
これは、
を最小とするような、を求めることである。
ここで、2つのベクトルの距離の自乗はとして求まることを思い出すと(ただしは内積)、
。
ここでさらに、,はの関数でなく、のみがの成分を持つことから、が、の成分とそうでない成分に分離される。そうでない成分を定数項と表すことにし、三角算数を適宜分解し、の値に注意して式変形すると
式がうるさいので、
とすると、
これで、極値を与える条件は判明した。を最小にするのはまたはであることが、少しいじるとわかる。そして、を最小にするのは、もしくは、
ここで登場しているは、9個のゴムひもの強さをほどよく働き方に応じて分解する組み合わせとなり、その成分にかけられている係数もそれなりの意味がある。