座標の取り方

3次元空間中に2つの面を定める。今、この3次元空間のあるベクトルを基準として、それと角\thetaをなすベクトルn(\theta)=(cos(\theta),sin(\theta),0)を法線ベクトルとし、この3次元空間の原点を通る平面 P(n(\theta))上の点はe(P(n(\theta)))_1=(-sin(\theta),cos(\theta),0)e(P(n(\theta)))_2=(0,0,1)の2ベクトルの線形和x\times e(P(n(\theta)))_1 + (1-x) \times e(P(n(\theta)))_2として表される。n,e_1,e_2内積はいずれも0であり、そのノルムはそれぞれ1である。
今、このような面P(n(\theta))に三角形を置く。三角形の頂点は、原点から、-\frac{2}{3}\pi,0,\frac{2}{3}\piの3方向にあり、それぞれ、原点からの距離が、a_1,a_2,a_3にあるものとする。この3方向のベクトルは、それぞれt_1=cos(\psi-\frac{2}{3}\pi)e_1+sin(\psi-\frac{2}{3}\pi)e_2,t_2=cos(\psi)e_1+sin(\psi)e_2,t_3=cos(\psi+\frac{2}{3}\pi)e_1+sin(\psi+\frac{2}{3}\pi)e_2として与えられる。
今、空間上に2つの面を置き、それぞれの面に1個ずつの三角形をa_1,a_2,a_3,b_1,b_2,b_3の距離に頂点があるものとして置く。2つの三角形の相対的位置関係を問題とすることとする。片方の三角形の置かれた面は、ある特定の面を選んでも一般性を失わないから、この三角形は、P_1=P(n(\theta=0))にあるものとし、また、この面上の3ベクトルの位置も、特定のそれを選んでも一般性を失わないから、そのようにすることとする。e(P_1)_1=(0,1,0),e(P_1)_2=(0,0,1)と置けて、t(P_1)_1=cos(-\frac{2}{3}\pi)e(P_1)_1+sin(-\frac{2}{3}\pi)e(P_1)_2
t(P_1)_2=e(P_1)_1
t(P_1)_3=cos(\frac{2}{3}\pi)e(P_1)_1+sin(\frac{2}{3}\pi)e(P_1)_2
となり、3点A_1,A_2,A_3
A_1=a_1t(P_1)_1,A_2=a_2t(P_1)_2,A_3=a_3t(P_1)_3
もう片方の三角形は、e(P_2)_1=(-sin(\theta),cos(\theta),0),e(P_2)_2=(0,0,1)と置けて、
t(P_2)_1=cos(\psi-\frac{2}{3}\pi)e(P_2)_1+sin(\psi-\frac{2}{3}\pi)e(P_2)_2
t(P_2)_2=cos(\psi)e(P_1)_2+sin(\psi)e(P_2)_2
t(P_2)_3=cos(\psi+\frac{2}{3}\pi)e(P_2)_1+sin(\psi+\frac{2}{3}\pi)e(P_2)_2
となり、3点B_1,B_2,B_3
B_1=b_1t(P_2)_1,B_2=b_2t(P_2)_2,B_3=b_3t(P_2)_3
となる。

今、このようにしておかれた、3角形の頂点間に絡まることのないゴム紐が張られるものとする。片方の3角形の各頂点からもう片方の3角形の各頂点に紐を張るので、9本の紐が張られる。紐は強さがことなり、片方の三角形の第i番目の頂点ともう片方の三角形の第j番目の頂点を結ぶ紐の強さがg_{ij}として与えられるものとする。三角形は、この紐の力によって、互いの位置が定まる。ただし、その定まり方は、Q=距離の自乗x強さの総和が最小になるような状態を安定とする。
これは、
Q=\sum_{i,j}g_{i,j}|A_i,B_j|^2を最小とするような、\theta,\psiを求めることである。
ここで、2つのベクトルの距離の自乗は|A_i,B_j|^2=|A_i|^2+|B_j|^2-2(A_i,Bj)として求まることを思い出すと(ただし(A_i,B_j)内積)、
Q=\sum_{i,j}g_{i,j}(|A_i|^2+|B_j|^2-2(A_i,B_j))
ここでさらに、|A_i|,|B_j|\theta,\psiの関数でなく、(A_i,B_j)のみが\theta,\psiの成分を持つことから、Qが、\theta,\psiの成分とそうでない成分に分離される。そうでない成分を定数項C_0と表すことにし、三角算数を適宜分解し、\frac{2}{3}\piの値に注意して式変形すると
Q=C_0+cos(\theta)sin(\psi)\frac{\sqrt{3}}{4}\times
(g_{11}A_1B_1-g_{13}A_1B_3-2g_{21}A_2B_1+2g_{23}A_2B_3+g_{31}A_3B_1-g_{33}A_3B_3)+
cos(\theta)cos(\psi)\frac{\sqrt{3}}{4}\times
(g_{11}A_1B_1-g_{13}A_1B_3-g_{31}A_3B_1+g_{33}A_3B_3) +
cos(\psi)\frac{1}{4}\times
(g_{11}A_1B_1-2g_{12}A_1B_2=g_{13}A_1B_3-2g_{21}A_2B_1+4g_{22}A_2B_2-2g_{23}A_2B_3+
g_{31}A_1B_3-2g_{32}A_3B_2+g_{33}A_3B_3)+
sin(\psi)\frac{\sqrt{3}}{4}\times
(-g_{11}A_1B_1+2g_{12}A_1B2-g_{13}A_1B_3+g_{31}A_3B_1-2g_{32}A_3B2+g_{33}A_3B_3)
式がうるさいので、
Q(\theta,\psi)=C_0+C_1cos(\theta)sin(\psi)+C_2cos(\theta)cos(\psi)+C_3cos(\psi)+C_4(\psi)とすると、
\frac{\partial Q}{\partial \theta}=-C_1sin(\theta)sin(\psi)-C_2sin(\theta)cos(\psi)
\frac{\partial Q}{\partial \psi}=C_1cos(\theta)cos(\psi)-C_2cos(\theta)sin(\psi)-C_3sin(\psi)+C_4cos(\psi)
これで、極値を与える条件は判明した。Qを最小にするのは\theta=0または\theta=\piであることが、少しいじるとわかる。そして、Qを最小にするのは、\theta=0, tan(\psi)=\frac{C_1+C_4}{C_2+C_3}もしくは、\theta=\pi, tan(\psi)=\frac{C_4-C_1}{C_3-C_2}

ここで登場しているC_1,C_2,C_3,C_4は、9個のゴムひもの強さをほどよく働き方に応じて分解する組み合わせとなり、その成分にかけられている係数もそれなりの意味がある。