Algebraic System Biology: Theses and Hypotheses

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  • 1 「私は仮説を立てない」〜ニュートン
    • 同時代の科学者ロバート フックとの重力の発見者論争
    • フックは生物学を「観察の学問」と呼び、観察に基づき仮説を立てて「あれか、これか」と頭をひねり、サブシステムにおける実験を組んで、その範囲での真偽の決着を目指す学問とし
      • いまだにそう…
    • ニュートンは、自然の原理は潜んではいるが、人間にはそれを「見抜く」力がある、というスタンス
    • システムバイオロジー時代に、データの山を一人の人間が統合して「見抜く」ことはできないかもしれないが、「抽象数学(代数)」と計算機の組み合わせが、「あるべくしてある原理」を見抜くに至るだろうか、というのが、このペイパーの趣旨
  • 2 システムバイオロジーとは
    • 対象
      • 遺伝子発現調節
      • シグナル伝達系
      • 代謝システム
      • その他
    • 代数モデル
      • 代数モデルが生命現象のモデルであるために
      • モデルの例を示す
        • Logical modeling
          • 状態を代数で表し、状態の変化を演算・関数で表す。二値変数・量的確率変数
        • 微分方程式
          • 濃度として連続量扱いできる化学反応
          • 離散微分方程式にすることもあり、偏微分が必要なこともあり
          • 時間要素・空間要素の両方を扱いもする。反応拡散系はここに入る
        • ハイブリッド
          • 部分的に離散・部分的に連続とか
          • 時系列データのS-systemによるネットワーク推定などで使われている(こちら)
          • Piecewise-affine models of genetic regulatory networks(こちら)
        • Algebraic Hybrid Automata, Temporal Logic and Algorithms
          • うまいこと離散時間系を一般化して、古典的な経時論理演算を扱い、グラフ理論(ネットワーク)の枠組みで動く代数系を構築すること
  • 3 Algebraic Systems Biological Methods
    • 気にすること
      • システムバイオロジー
      • 力学系
      • 様相論理
      • 計算可能性
      • 生物学上の有用性
    • やってみる
      • AAMC (Algorithmic Algebraic Model Checking)シリーズ
        • 既存のいろいろを組み合わせる
        • (1) Semi-Algebraic Set、等式と不等式の集まり
        • (2) Semi-Algebraic Hybrid Automata 変数をグラフにして、そこに自動演算ルールを乗せる
        • (3) Semantics of Hybrid Automata このグラフとのその上の自動演算ルールの上に定義した文法に従って状態推移を起こす
        • (4) Finite-Dimensional Machine Over ノードにタイプをつけて作った有向連結グラフ
        • (5) Mandelbrot Set ルールの上でフラクタルが発生する、ということ(だろう)
        • (6) Mandelbrot Hybrid Automaton
        • (7) TCTL (Timed Computation Tree Logic) 計算木論理(Computation Tree Logicに時間を入れたもの)
        • (8) Single-Step Until Operator (横向きの▽)
        • (9) T \mu-Calculus Syntax 様相論理より複雑にしたCalculus(微分積分〜変化具合)のルール
    • これで、何ができて何ができないか?
      • (ブログ筆者のコメント)
        • イントロが大仰だっただけに、ちょっと、どうなの?というモデルだけれど、「突き詰める」とこのくらいに落ち着くのでしょうか。力学系に依存しすぎている感じ